番外:独断的歌舞伎感想文:「歌舞伎座新開場 柿葺落四月大歌舞伎」
日記:2013年4月某日
歌舞伎「歌舞伎座新開場 柿葺落四月大歌舞伎」を見る.
第三部:「近江源氏先陣館 盛綱陣屋(もりつなじんや)」.
出演:佐々木盛綱(仁左衛門),篝火(時蔵),早瀬(芝雀),伊吹藤太(翫雀),信楽太郎(橋之助),竹下孫八(進之介),四天王(男女蔵),同(亀三郎),同(亀寿),同(宗之助),高綱一子小四郎(金太郎),盛綱一子小三郎(藤間大河),古郡新左衛門(錦吾),微妙(東蔵),北條時政(我當),和田兵衛秀盛(吉右衛門).
このお芝居は一種のミステリ仕立てである.
敵味方に分かれ相争う盛綱・高綱兄弟,高綱の一子小四郎が捕らえられたところに,高綱方の武将秀盛が軍使としてやってきて,小四郎を返せと言う.
その後高綱が討ち死に,首が届いたので実検せよと時政自身が陣屋にやってくる.
秀盛の意図は何か.高綱は本当に討ち死にしたのか.そもそも小四郎は何故捕らえられたのか?その小四郎は父の首を見て切腹してしまう….
豪放にして情にあふれた吉右衛門の秀盛,冷静理詰めで温情ある仁左衛門の盛綱が共に素晴らしい.また難しい子役・小四郎を,金太郎が見事に演じていた.
一幕一場の長い芝居だが緊張感あふれ,役者がそれぞれの味を出して印象深かった.
「歌舞伎十八番の内 勧進帳(かんじんちょう)」.
出演:武蔵坊弁慶(幸四郎),源義経(梅玉),亀井六郎(染五郎),片岡八郎(松緑),駿河次郎(勘九郎),太刀持音若(玉太郎),常陸坊海尊(左團次),富樫左衛門(菊五郎).
弁慶はやはり團十郎の豪放で明るい弁慶が個人的には好きだった.いわば子供っぽい弁慶である.
幸四郎の弁慶はいかにも大人の弁慶という感じ.
一方,今回の四天王は豪華版で迫力あり.
いつもの様に素晴らしい和風オーケストラを堪能した.終了は9:42.
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