独断的映画感想文:スリープレス・ナイト
日記:2013年6月某日
映画「スリープレス・ナイト」を見る.
2011年.監督:フレデリック・ジャルダン.
出演:トメル・シスレー(ヴァンサン),ジョーイ・スタール(フェイデック),ジュリアン・ボワッスリエ(ラコンブ),ロラン・ストーケル(マニュエル),セルジュ・リアブキン(ジョゼ・マルシアノ),リジー・ブロシュレ(ヴィグナル),サミ・セギール(トマ).
ヤクを強奪して転売しようとマフィアを襲った刑事ヴァンサンとマニュエル,ところがヴァンサンはナイフで切られ負傷,相手を射殺してしまう.おまけに彼の身元はすぐにマフィアにばれ,一人息子のトマが誘拐されてしまう.
トマを人質にヤクを返せと迫るマフィアに対し,ヴァンサンはマニュエルの反対を押し切り,バッグを持ってマフィアの拠点である巨大クラブに単身乗り込む.
マニュエルの背後にいる麻薬捜査官ラコンブは実はこの強奪の黒幕,部下のヴィグナルに命じヴァンサンを尾行させ,ラコンブもクラブにやって来る.マフィアのボス・マルシアノのもとには取引先相手が押しかけ,早くヤクを渡せと要求している.かくして客であふれかえるクラブの中,互いに全く信用していない二組ずつのマフィアと悪徳警官とが,ヤクを巡って死闘を繰り広げることになる….
ところでこう書くと単純なフィルムノワールだが,実はヴァンサンは潜入捜査官だということが途中で明らかになり,物語の一方の軸はトマとヴァンサンの父子関係だということになる.
実際,離婚した妻からの「トマはどうなっているのか」という問い合わせを必死に言いくるめつつ,絶望的状況にめげずトマ奪還のため戦い続けるずヴァンサンは,なかなかの迫力.
状況が二転三転する中,クラブの厨房で,バーで,レストランで,ビリヤード場で繰り広げられる息もつかせぬアクションシーン,ラコンブの正体がどうあぶり出されるのか,トマの運命は,マフィアの動向は,と最後まで先の読めない展開は見事である.
突っ込みたいところは幾つかあるが,全体の流れに圧倒された.見て損はなし.
★★★☆(★5個が満点)
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