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2013/07/08

独断的映画感想文:桃(タオ)さんのしあわせ

日記:2013年7月某日
映画「桃(タオ)さんのしあわせ」を見る.3
2011年.監督:アン・ホイ.
出演:アンディ・ラウ(ロジャー),ディニー・イップ(桃/鐘春桃),チン・ハイルー(チョイ主任),ワン・フーリー(ロジャーの母),チョン・プイ(キン),アンソニー・ウォン(バッタ),サモ・ハン(映画監督),ツイ・ハーク(映画監督).
ネタバレあります.
実話に基づく映画.
桃さんはロジャーの家に日中戦争の頃からもう60年来仕える家政婦.今はロジャーの家族は皆米国に移住してしまい,独身の映画プロデューサー・ロジャーが一人暮らすマンションで,桃さんも共に暮らす.
心臓病を患ったことのあるロジャーに,桃さんは薬膳スープや魚料理を心を込めて作る.4
ところがある日桃さんが脳卒中で倒れてしまった.
左半身の麻痺が残った桃さんは,ロジャーの世話で老人介護施設に入る.最初は不安で一杯だった桃さんだが,ロジャーが来ては世話を焼いてくれ(彼女は僕の義母ですと周りの老人達に言ってくれた),リハビリにも取り組み,桃さんは次第に施設に溶け込んでいくが….
ロジャーと桃さんの関係がとても丁寧に描かれるのが,何と言っても印象的な映画.1
桃さんが懸命に作った料理をロジャーは何も言わず黙々と食べ(何気なく左手を挙げるとそこに桃さんがご飯の茶碗をさっと差し入れるというコンビネーションの良さ),たまには牛タンの煮込みを食べたいなどとわがままも言うが,ロジャーが心から桃さんを信じて頼りにしているのがしみじみ感じられる.
桃さんが施設に入ってからは,調子の良くなった桃さんを公園の散歩に連れ出し,あるいは懐かしい自宅に連れ帰り,またある時は完成した映画の試写会に招待する.ロジャーの腕にすがって誇らしげに歩く桃さんの嬉しそうな顔が.何とも言えない.2
映画の終盤,桃さんは再び脳卒中を起こし,また他の病気も併発して急速に衰え,遂に帰らぬ人となる.
見てるこちらもいずれこうなるであろうという予感と緊張を持って見ていた訳だが,しかし桃さんはしあわせだった.
つまり,病を得て仕事を辞し,しかしそのお陰でロジャーとは新しい関係を築けた.人はいずれ死ぬのだが,その最後の日々をロジャーとの絆を持って過ごすことが出来た.それが桃さんのしあわせだったのではないか.
映画には悪人は一人も出ず,その意味では寓話的な映画だが,桃さんのしあわせについてじっくり考えることの出来る映画となった.一見の価値あり.
★★★★(★5個が満点)
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