独断的映画感想文:マリーゴールド・ホテルで会いましょう
日記:2013年10月某日
映画「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」を見る.
2011年.監督:ジョン・マッデン.
出演:ジュディ・デンチ(イヴリン),ビル・ナイ(ダグラス),ペネロープ・ウィルトン(ジーン),デヴ・パテル(ソニー・カプー),セリア・イムリー(マッジ),ロナルド・ピックアップ(ノーマン),トム・ウィルキンソン(グレアム),マギー・スミス(ミュリエル).
本国イギリスで食い詰めて,はるばるインドの長期滞在型リゾートホテルにやってきた7人の高齢男女.やっとたどり着いたそのホテルは,若き支配人ソニーが取り仕切る,「発展途上」のホテルだった….
全てを任せていた夫に急死され途方に暮れていたイヴリン,退職金の大半を娘のITベンチャーにつぎ込んでしまったダグラス・ジーンの夫妻,不意に中途退職しインドを目指したグレアム,人種主義者だったのに予算がないために大腿骨の手術をインドでする羽目になったミュリエル,未だにロマンスを追い求めるノーマンとマッジ.彼等は予想と違ったホテルの状況にたじろぎつつ,それぞれにインドの地と誼を通じようとするのだが,その前途はなかなかに険しい.
ホテルはと言えば,若きソニーは張り切っているが財政状態は芳しくなく,相続権を持つ母と兄たちはこのホテルを整理しようと考えていた.さあこの結末はいかに,と言うお話し.
必ずしもうまくいかなかった人生,その結果今インドにいる彼等はそれぞれに秘密がある.それを一つ一つ明かしながら進行していく物語が興味深い.
その秘密はそうたいしたものではなく,例えばイヴリンは専業主婦だったのにインドで就職口を見つけることが出来た.尾羽うち枯らしすっかり年老いた人種主義者と見えたミュリエルは,物語の終局では思いがけない役割を担う.
映画は登場人物の全てに温かい目を注ぎ,彼等の残された人生を祝福する様だ.
物語の筋にはやや御都合主義を感じるが,味のある俳優達の名演が心地よい.見終わってホノボノとする映画,見て損はなし.
★★★★(★5個が満点)
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