独断的映画感想文:映画 鈴木先生
日記:2013年10月某日
映画「映画 鈴木先生」を見る.
2012年.監督:河合勇人.
出演:長谷川博己(鈴木先生),臼田あさ美(鈴木麻美),土屋太鳳(小川蘇美(2-A)),風間俊介(勝野ユウジ),田畑智子(桃井先生),斉木しげる(校長先生),でんでん(川野先生),富田靖子(足子先生).
原作もTVドラマも未見である.
鈴木先生は三鷹市立緋桜中学校の2年A組担任教師.クラスのマドンナ小川蘇美への妄想に悩まされながら,学校に入ると切り替わる明快な頭脳で生徒を指導する.
生徒会長選挙を迎えた校内は,選挙制度批判のために立候補したと公言する2-Aの出水正に対し,歩く笑顔の文部科学省・足子先生が公然と弾圧に乗り出し,予断を許さない情勢である.
ところが生徒会選挙当日に卒業生ユウジによる思いがけない事件が発生する….
この映画は中学生の熱血学園ものではない.それどころか映画全体は何となくウソっぽい.
その証拠にこの中学にはいじめはないらしい.荒れる崩壊クラスもない.
生徒同士は前向きに討論し合うが,その討論内容は理路整然,中学生離れした論理展開である.ユウジに襲われた小川蘇美は,理論で相手を圧倒した後,決死のジャンプをして鈴木先生の待つ隣の校舎に飛び移る(何故そんなことをしなければならないのだ?!).
要するにこの映画は芝居なのだ.
映画の中でも鈴木先生は,自分を防御するために演技することの重要性を説き続けている.これは良い鈴木先生を演ずる鈴木先生や,良い生徒を演ずる緋桜中学生徒達,その他の人々が演じる芝居の映画なのだ.この映画を見て感じる違和感はそこに由来する.
ではこの映画そのものは何のために作られたのか?選挙制度の矛盾を訴えるためか?!オタクひきこもりの保護を訴えるためか?!!それは僕には判りません.
全体としての嘘っぽさには共感できなかった.面白かったが意味不明な映画.それが後に残った独断的感想である.
★★★(★5個が満点)
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