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2013/11/01

独断的映画感想文:図書館戦争

日記:2013年10月某日
映画「図書館戦争」を見る.5
2013年.監督:佐藤信介.
出演:岡田准一(堂上篤),榮倉奈々(笠原郁),田中圭(小牧幹久),福士蒼汰(手塚光),西田尚美(折口マキ),橋本じゅん(玄田竜助),鈴木一真(武山健次),相島一之(尾井谷隊長),嶋田久作(平賀警部補),児玉清(稲嶺和市(写真)),栗山千明(柴崎麻子(特別出演)),石坂浩二(仁科巌).
作った時点では近未来ものという映画だったのだろうが,昨今の政治状況からして未来とは言い難くなってしまったリアルな政治ドラマ.
メディア良化法が成立し,有害図書を暴力をもって規制できるメディア良化隊が,図書の強制的検閲を行うようになる.一方,これに乗じた正体不明の集団による図書館焼き討ち事件が発生したことから,メディア良化隊に対する防衛権を持つ図書隊が設立され,図書館については図書隊が配置されることになった.
という訳で図書を巡ってメディア良化隊と図書隊という二つの戦闘集団が並立するようになる.大好きな本を良化隊に検閲され奪われるところを図書隊に救われた経験を持つ笠原は,図書隊に志願し入隊する.指導教官の堂上は,初めての女子隊員である笠原に厳しく対応するのだが….2_2
まあ設定を別とすれば岡田准一の典型的アクション映画と言えるし,エンタテインメントとして良い水準.
という訳で設定が焦点なのだが,冒頭に掲げられる「図書館の自由に関する宣言」は非常に重要なもので,現実の我が国の図書館協会が掲げている宣言は以下の通りで,ほとんど映画と同じ.「図書館は、基本的人権のひとつとして知る自由をもつ国民に、資料と施設を提供することをもっとも重要な任務とする。この任務を果たすため、図書館は次のことを確認し実践する。第1 図書館は資料収集の自由を有する.第2 図書館は資料提供の自由を有する.第3 図書館は利用者の秘密を守る.第4 図書館はすべての検閲に反対する.図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまで自由を守る.」
この宣言は架空の近未来の宣言ではなく,現実の図書館が掲げていて,それが脅かされているという状況が,逆に言えばこの映画のポイントでもある.
もう一つのポイントは主演の女子図書隊員を演ずる榮倉奈々のキャスティングであるが,これはまあ合格点と言ったところか.条件は,若くて上背があり(岡田准一より高くなくてはいけない),柔道がめちゃ強いが精神的には幼いというもので,そういう(風に見える)女優は他になかなかいそうにない.4
映画は特に後半は戦闘に次ぐ戦闘で,岡田アクションの炸裂は充分に堪能できる.
映画では話が戦争だから分かりやすいが,今,現実の図書館が迎えているのはもっと陰湿な自由の締め付けである.図書館頑張れ!
★★★☆(★5個が満点)
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