独断的映画感想文:Love Letter
日記:2013年12月某日
映画「Love Letter」を見る.
1995年.監督:岩井俊二.
出演:中山美穂(渡辺博子、藤井樹),豊川悦司(秋葉茂),酒井美紀(少女・藤井樹),范文雀(藤井晶子),中村久美(浜口先生),加賀まりこ(藤井安代),柏原崇(少年・藤井樹),篠原勝之(藤井剛吉),鈴木蘭々(及川早苗),塩見三省(梶親父),鈴木慶一(藤井精一),田口トモロヲ(藤井慎吉),光石研(阿部粕).
映画の冒頭,雪原に横たわり息を止めている渡辺博子,粉雪が降りかかる.
やがてほっと息を吐き立ち上がる博子,空を仰ぐ目には涙がひかる.その後,雪原を歩き始める博子,カメラは引きながら彼女がその先の坂を下り雪の住宅街を歩いて行く姿を,彼方の海まで拡がる町並みと共に映し続ける.観客はこの長い冒頭のシーンだけで映画に捕まってしまうだろう.
博子の恋人藤井樹は,3年前,山で遭難死した.彼が忘れられない博子は,樹の中学時代の卒業アルバムの住所録に載っていた住所に手紙を出す.「藤井樹様,お元気ですか.私は元気です」.ところが天国に出したつもりのその手紙に返事が返ってきた….
やがて,藤井樹には中学時代の3年間,同姓同名の女性の同級生がいたことが判る.博子はその樹♀に,樹♂の思い出を尋ねる手紙を出し,樹♀は自分の記憶を掘り起こして樹♂の物語を送り返してくる….
素敵な恋愛ドラマである.
もっとも突っ込みたいところは幾らでもある.映画は神戸を舞台に始まり小樽に移り,或いは樹♂の遭難した山に移るのだが,どこも全て雪景色で区別がつき難い.また博子と樹♀がすれ違う小樽の街路に,突然現れる群衆も如何にも不自然.篠原勝之のじいちゃんもトヨエツの関西弁も違和感の方が強い.
しかしそんなことはどうでも良いのだ.
一番美しい時代の中山美穂が二役で演じる主人公が素晴らしく,それを撮るカメラも素敵.音楽もひたすら美しい.
俳優では中山美穂の他,酒井美紀と柏原崇が印象的だ.
ラストシーン,差し出された絵に見入る中山美穂のショットは忘れがたい.
岩井俊二監督の長編デビュー作として,一見の価値あり.
★★★★(★5個が満点)
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コメント
この映画は結構、評判になっていたけれど、1995年の映画なんですね。それは中山美穂が綺麗だったでしょう。でも長い眼でみると綺麗な女優なんてあとからあとから出てくるものですね。しかし最近はあんまり綺麗な女優はいない。武井咲もたいしたことないし、遠藤久美子もちょっと年食ってしまったし。個人的には倉科カナなんか好きですが、美人じゃないし。
投稿: 谷田卓美 | 2013/12/31 14:34