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2014年2月に作成された記事

2014/02/09

独断的映画感想文:さよなら渓谷

日記:2014年2月8日
映画「さよなら渓谷」を見る.1_2
2013年.監督:大森立嗣.
出演:出演:真木よう子(かなこ),大西信満(尾崎俊介),鈴木杏(週刊誌記者・小林杏奈),井浦新,新井浩文,木野花,鶴田真由(渡辺の妻),大森南朋(週刊誌記者・渡辺).
アパートの一室で日中から愛し合う男女,そこに戸を叩く音がする.訪ねてきたのは隣家の母親,宅配便が届くから受け取ってくれと伝言し去って行く.彼等の住む棟割りアパートの外は報道陣でごった返し,そこにパトカーが到着.隣家の母親は4歳の我が子を殺した容疑で逮捕され連行される.こういう冒頭で始まる映画.2_3
男女は製材所で働く尾崎と介護施設で働く妻かなこ.うまくいっている様に見える2人だが,やがて尾崎は隣家の母親と浮気していた容疑で逮捕される.
警察にそれを供述したのはかなこである.
尾崎はかって大学野球部のエースだったが途中退部し,就職先も突然辞めている.もとラグビーの全日本選手で体を壊し,今は週刊誌の記者をしている渡辺は尾崎に興味を持ち,同僚の小林と共に尾崎の過去を調べ始めるが….4_2
映画の骨格はこの尾崎とかなこの関係の再生のドラマである.
しかしその関係は尾崎の致命的な過ちによりスタートし,特異な経過を辿って現在に至っている.その謎が渡辺・小林の取材により浮かび上がってくるのである.
物語の終盤に明らかにされる尾崎とかなこの放浪の過程は,凄まじい緊張感を持った美しい映像として印象的だ.5_2
映画の中で渡辺が抱えていた問題は解決に至るが,尾崎とかなこの関係は再生に至らない.しかし観客は再生への希望を感じてこの映画を見終わるだろう.
寡黙な尾崎を演じた大西信満,感情のほとばしる激しい台詞術の真木よう子,挫折したやるせない中年男を演じた大森南朋が印象的.
脇役では新井浩文,鶴田真由が良かった.見て損はなし.
追記:平本正宏の音楽は良かった.また,椎名林檎作詞作曲・真木よう子歌唱のエンディングテーマは,秀逸.
★★★★(★5個が満点)
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独断的映画感想文:探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点

日記:2014年2月某日
映画「探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点」を見る.1
2013年.監督:橋本一.出演: 大泉洋(探偵),松田龍平(高田),尾野真千子(河島弓子),ゴリ(マサコちゃん),渡部篤郎(橡脇孝一郎),田口トモロヲ(松尾),篠井英介(フローラ),波岡一喜(佐山),近藤公園(学生),筒井真理子(新堂艶子),矢島健一(野球男),松重豊(相田).
ススキノのおかまバーの人気者マサコちゃんは,お客相手に練習した手品が受けて,何と全日本のコンクールで優勝するが,その祝賀会の直後マサコちゃんは殺されてしまう.2_2
捜査に乗り出した探偵に,バイオリニスト河島が依頼人となると言いだした.探偵は,かってマサコちゃんと交流があり今は反原発のカリスマ的大立て者である橡脇代議士一派が怪しいと見て,捜査を進めるが….
この映画前半はどうしようもない出来,探偵はとにかく喚きすぎでうるさいし(逆に高田はおとなしすぎる),話の筋は類型的だし,前回同様のアクションは同じ事の繰り返しだし.
探偵達を襲う大集団とそれを率いる野球男の正体も,割れてみればおよそあり得ない話しで(バットや刃物を持って殺意をもって押しかけてきた大集団の正体がこんなことだなんて,政治的意図による設定なのか?!),呆れてものが言えない.3_2
但し,最後の30分ほど,真相が明らかになって結末に至るサスペンスフルな展開は面白かったし,最後のどんでん返しも良かった.
シリーズの予告編もあった様なので,次回にはもう少しマシな作品にして欲しい.
★★★(★5個が満点)
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独断的映画感想文:真夏の方程式

日記:2014年1月某日
映画「真夏の方程式」を見る.5
2013年.監督:西谷弘.
出演:福山雅治(湯川学),吉高由里子(岸谷美砂),北村一輝(草薙俊平),杏(川畑成実),山崎光(柄崎恭平),西田尚美(三宅伸子),田中哲司(柄崎敬一),塩見三省(塚原正次),白竜(仙波英俊),風吹ジュン(川畑節子),前田吟(川畑重治).
物理学者ガリレオ先生の推理シリーズで映画としては第2弾.
玻璃が浦で民宿を営む川畑家に,夏休み遊びに来た甥の恭平.理科は嫌いだと言う恭平に,宿泊客の湯川は理科の面白さを独特のやり方で教えていく.3
玻璃が浦は鉱物資源調査・開発問題に揺れており,湯川は開発側のアドバイザーとしてきたのだが,民宿の一人娘成美は反対派の急先鋒.
ところが,民宿の宿泊客塚原が,ある夜不可解な死を遂げる.塚原は16年前に起きた殺人事件の担当刑事,犯人の仙波は玻璃が浦出身で既に刑期を終えて最近出獄したばかりだ.捜査一課の刑事岸谷は,旧知の湯川に協力を求め捜査を開始するが….4
事件を巡る謎は設定に無理矢理なところがあって,受け容れ難い.仙波や川畑重治の行動にも納得のいかないところがあった.
この映画の魅力はむしろ,成美,恭平と湯川の心の交流にある様に思われる.クールで一見とりつく島もない湯川が,成美・恭平相手に真情溢れる支えの手をさしのべるところは,感動的である.
俳優では杏と山崎光が印象に残った他,短い出演だが西田尚美・白竜が良かった.北村一輝は殆ど出番なし,可哀想に.2
★★★☆(★5個が満点)
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