独断的映画感想文:危険なプロット
日記:2014年4月某日
映画「危険なプロット」を見る.
2012年.監督:フランソワ・オゾン.出演:ファブリス・ルキーニ(ジェルマン),クリスティン・スコット・トーマス(ジャンヌ),エマニュエル・セニエ(エステル),エルンスト・ウンハウアー(クロード).
ネタバレあります!!
反体制的な姿勢を隠さない高校教師ジェルマンは,かって作家を志して本を出したが挫折した経験を持つ.
生徒のクロードが宿題に出してきた作文は,ある家庭に入り込みたいために同級生ラファルと作為的な友情を作り上げるという,刺激的なものだった.ジェルマンは作文を指導するという名目でクロードに続編を要求する.
クロードはその家庭に数学の家庭教師として入り込み,ラファルや父親の心を捉えながら,次第に母エステルに接近していく,と書き綴る.果たしてクロードの「作文」は創作か事実か?クロードの作文に引き込まれ,ジェルマンの現実生活は激しく揺さぶられる….
この手のフランス映画は好みではない.好みではないが,この映画はなかなか面白かった.俳優がそれぞれ魅力的である.
特にクリスティン・スコット・トーマスとエルンスト・ウンハウアーの美しさはそれだけで見応えあり.
物語は虚構と現実が混乱していく映像に引き回されよく分からないまま終わってしまうが,この一連の騒動でジェルマンが職も妻も全てを失ったのは事実らしい.ジャンヌが突然荷物をまとめて出て行ったのにはいささか唐突感があったが,クロードの「作文」とジェルマンの「指導」が,結局思いも寄らぬ結果に結びつくという軸は明快な映画.
見て損はなし.
★★★☆(★5個が満点)
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