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2014/06/20

独断的映画感想文:コン・ティキ

日記:2014年6月某日
映画「コン・ティキ」を見る.4
2012年.監督:ヨアヒム・ローニング.
出演:ポール・スヴェーレ・ヴァルハイム・ハーゲン(トール・ヘイエルダール),アンドレス・バースモ・クリスティアンセン(ヘルマン・ワツィンゲル),ヤーコプ・オフテブロ(トルステイン・ロービー),トビアス・ザンテルマン(クヌート・ハウグランド),オッド=マグヌス・ウィリアムソン(エリック・ヘッセルベルグ),グスタフ・スカルスガルド(ベングト・ダニエルソン),アグネス・キッテルセン(リヴ・ヘイエルダール).2
子供の時に世界的ベストセラーとなり,うちの本棚にもあって愛読した「コン・ティキ号漂流記」の映画化である.
1947年,若きノルウェーの人類学者・トール・ヘイエルダールは,謎とされていたポリネシア人の起源は,ペルーから筏で海流に乗って8000キロを旅した人々である,という仮説を立てた.
それを証明するため,インカ時代のやり方で筏を建造,資金とクルーを募ってポリネシア目指し勇躍ペルーを出港,100日余りの後に南太平洋ポリネシアのツアモツ諸島のラロイア環礁に漂着する….
第二次大戦直後の完全なアナログの時代,スマホ一つからGPSが利用できる現代では想像を絶する状況下の冒険物語である.3
とにかく,無線機以外には近代機器を一切使用せず広大な太平洋での筏漂流に挑む,その冒険家精神に圧倒される.
さまざまな漂流中の苦難が描かれる.冷蔵庫セールスマンから転身したヘルマン・ワツィンゲルの恐怖と,それに対し自分を信じろとのみ言い放つ信念のかたまりヘイエルダールとの軋轢は,物語の一つの頂点となる.
その一方で筏上の小屋に男6人が寝起きし,大量の書物に読みふけり,ギターをかき鳴らしながら漂流していく,そのどこか突き抜けた暢気さも印象的だ.
無線機やタイプライターは嵐が来たときなどはどう守っていたのかしら.1
子供の頃あこがれた漂流記に夢中になり,見終わった後改めて自分の周りを見回し随分遠くに来てしまったなと思う,そういう映画でもあった.一見の価値あり.
★★★☆(★5個が満点)
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