番外:独断的歌舞伎感想文:七月大歌舞伎昼の部
日記:2014年7月13日
歌舞伎座で七月大歌舞伎を見る.
「一、正札附根元草摺(しょうふだつきこんげんくさずり)」.出演:曽我五郎時致(市川右近),小林妹舞鶴(笑三郎).「二、通し狂言 夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)」,お鯛茶屋,住吉鳥居前,三婦内,長町裏,団七内,同屋根上.出演:団七九郎兵衛(海老蔵),三河屋義平次(中車),一寸徳兵衛(猿弥),琴浦(尾上右近),お梶(吉弥),玉島磯之丞(門之助),おつぎ(右之助),堤藤内(家橘),釣舟三婦(左團次),お辰(玉三郎).
正札附根元草摺は右近・笑三郎の舞踊.曽我ものの一つで,曽我の五郎が父の仇工藤祐経に会いに行こうというところ,その持った鎧の草摺を力自慢の女性・小林妹舞鶴と引き合うという荒事の舞踊である.
両者の折り目正しい舞踊が印象的.
夏祭浪花鑑は,主家筋の放蕩者・玉島磯之丞のために,団七九郎兵衛・お梶と一寸徳兵衛・お辰の義兄弟夫婦が,義理と男伊達のために身を滅ぼすという悲劇.
この2組の夫婦も良かったが,釣舟三婦を演じる左團次と義平次を演じる中車がそれぞれの個性で出色の出来,猿弥の一寸徳兵衛もまた遜色なく,見応えある舞台となった.
義兄弟両者の因縁が描かれる「お鯛茶屋」を含めた通しの上演で,物語の筋立てが明快になった.見て損は無し.
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