独断的映画感想文:四十九日のレシピ
日記:2014年6月某日
映画「四十九日のレシピ」を見る.
2013年.監督:タナダユキ.
出演:永作博美(高岩百合子),石橋蓮司(熱田良平),岡田将生(ハル),二階堂ふみ(イモ),原田泰造(高岩浩之),淡路恵子(珠子).
映画の冒頭,電話に出ている百合子.夫の愛人という女からの離婚を求める電話である.子供もできたと言う.電話の向こうにうろたえた夫の声がする.堪りかねて電話を切る百合子,彼女は不妊に悩んでいた.
片や一軒家で一人暮らす百合子の父・良平,妻・乙美の突然の死後無気力になり,今も空腹のまま怠惰に寝ている.そこに訪れた自称イモこと井本は乙美がボランティアをしていた更正施設の出身,亡くなった妻に自分の死後四十九日までのあいだ夫を世話する様頼まれ,やってきたと言う.
一方,悄然と帰ってきた百合子はイモに背中を流して貰っている良平に驚く.
イモが見つけた乙美のノートには細々とした家事の秘訣が書いてある一方,自分の四十九日には大宴会を開くようにと指示があった.良平と百合子は,やはり手伝いに来てくれた乙美の元同僚ハルと共に,大宴会の準備を始める….乙美は百合子の母の死後嫁いできた後妻で,自分の子供はいなかった.良平と百合子は四十九日の準備をする一方,それぞれに乙美の人生を辿り始める.
妻の死,夫との離婚に直面しながら,自らの再生に取り組む親子を描く物語.
この映画は演じる俳優が宜しい.
石橋蓮司が相変わらず元気に良平役を好演.永作博美も好感が持てる.イモを演じたのは誰か予備知識がなかったが,二階堂ふみと知って納得,愛すべきコスプレ少女イモを過不足無く演じてうまい.淡路景子はこの人らしいあけすけで憎たらしい役柄.
妻であり母であった乙美の現在の姿が殆ど描かれないのは若干物足りないが,父と子の各々が再びしっかりと歩き始めるラストは印象に残る.
★★★☆(★5個が満点)
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