独断的映画感想文:ある愛へと続く旅
日記:2014年7月某日
映画「ある愛へと続く旅」を見る.
2012年.監督:セルジオ・カステリット.
出演:ペネロペ・クルス(ジェンマ),エミール・ハーシュ(ディエゴ),アドナン・ハスコヴィッチ(ゴイコ),サーデット・アクソイ(アスカ),ピエトロ・カステリット(ピエトロ),ジェーン・バーキン(精神分析医).
ローマで暮らすジェンマは,昔の友人ゴイコの誘いで16才の息子ピエトロと共にサラエボを訪れる.
ここでゴイコと再会したジェンマ,かって学生時代に論文の資料集めでこの地を訪れたジェンマは,通訳・案内人としてゴイコを雇った.そしてゴイコの紹介で出会ったカメラマン・ディエゴと熱烈な恋に落ち,やがてイタリアに戻ったジェンマは,紆余曲折ののちディエゴと結婚したのだった.
しかしジェンマは子供に恵まれず,折りしも取材でサラエボを訪問することになったディエゴと共にジェンマも同行,サラエボで代理母アスカとの契約が成立するが….
1990年代のボスニア・ヘルツェゴビナ紛争を背景とした,ジェンマとディエゴの愛憎の物語.ベストセラー小説の映画化らしいが,原作の整理がまずく話がトッ散らかった感じが否めない.
ジェンマの最初の結婚と離婚など,エピソードとして意味があるとは思えない.
全体の構成も現代と過去を行き来するのがせわしなく,成功したとは言い難い.
それでも軸となるジェンマを演じるペネロペ・クルスの熱演と,内戦を生き抜くアスカを演じるサーデット・アクソイの魅力で,映画の最後まで惹きつけられる.アドリア海(?)の美しい島を舞台に明かされる謎解きのシーンも印象的だ.
重いテーマを内在しながらも,魅力ある映画.
★★★☆(★5個が満点)
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