独断的映画感想文:ウォルト・ディズニーの約束
日記:2014年8月某日
映画「ウォルト・ディズニーの約束」を見る.
2013年.監督:ジョン・リー・ハンコック.
出演:エマ・トンプソン(パメラ.L.トラヴァース),トム・ハンクス(ウォルト・ディズニー),ポール・ジアマッティ(ラルフ),ジェイソン・シュワルツマン(リチャード・シャーマン),ブラッドリー・ウィットフォード(ドン・ダグラディ),ルース・ウィルソン(マーガレット・ゴフ),B・J・ノヴァク(ロバート・シャーマン),メラニー・パクソン(ドリー),アニー・ローズ・バックリー(ギンティ),コリン・ファレル(トラヴァース・ゴフ).
本作は「メアリー・ポピンズ」シリーズの原作者パメラ・トラバースが,ウォルト・ディズニーに映画化権を承諾するまでの,スタッフとの壮烈な交渉を描くものである.
ディズニーは20年越しでこの作品の映画化交渉を続けてきた.新作が出せず資金的に窮していたパメラの代理人が,ディズニーとの面談を設定し,パメラは米国に渡る.しかしパメラの姿勢は頑なで,ミュージカルは駄目,アニメは論外と米国側からはミズ・ノーと言われる有様.
思い出したが「メアリー・ポピンズ」は,僕も岩波少年文庫の原作を小学生時代に読んでいたのである.それがディズニーによって映画化されるというニュースは東京オリンピックの頃,それを実際に見たのは中学生か高校生の頃であったろうか.中学・高校生になっても僕自身はこの童話の映画化を切望していたのを,懐かしく思い出した.
映画はパメラとディズニーの映画化を巡る攻防と併行して,パメラの幼少時代を描いていく.
彼女の父は子供達に優しく,その夢を膨らませる様に育てていたが,社会的にはアル中で酒で仕事を失敗した人であった.彼女のメアリー・ポピンズへの頑ななこだわりは,父との葛藤に深く関わっている.その頑なさがディズニーとの交渉でどう変わっていくかが本作の見どころである.
パメラを演じるエマ・トンプソンが見事,終盤パメラが流す涙と共に,観客もまた涙を禁じ得ないであろう.映画の作成ドラマとして,一見の価値ある映画.
但しこの後原作者は続編の映画化は一切認めていない.現実は現実,映画は映画ということか.
★★★★(★5個が満点)
人気ブログランキングへ
固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
最近のコメント