独断的映画感想文:とらわれて夏
日記:2014年10月某日
映画「とらわれて夏」を見る.
2013年.監督:ジェイソン・ライトマン.
出演:ケイト・ウィンスレット(アデル),ジョシュ・ブローリン(フランク),ガトリン・グリフィス(ヘンリー),トビー・マグワイア(ヘンリー(大人)),トム・リピンスキー(フランク(青年)),クラーク・グレッグ(ジェラルド),ブリード・フレミング(エレノア),マイカ・モンロー(マンディ),アレクシー・ギルモア(マージョリー),ルーカス・ヘッジズ(リチャード),ジェームズ・ヴァン・ダー・ビーク(トレッドウェル巡査),ブルック・スミス(イヴリン).
夫と別れ息子ヘンリーと二人暮らすアデル.彼女は神経を病んでいて息子に依存して暮らす日々だ.
レイバーデイの終末,月に1回行くスーパーで出会ったフランクは,殺人罪で服役中の脱走犯だった.アデルはヘンリーを人質に取られ,強要されて止むなくフランクを自宅にかくまうことになる.
最寄りの駅から列車が出るまでという約束でアデルを縛り逗留したフランク,しかし列車は休日ダイヤでフランクは出発できない.
フランクはアデルを解き放ち,まめまめしく家の修理,ボイラーや車の手入れといった男の仕事をこなす.ヘンリーには父親の様に野球を教えるのだった.
映画はこの経過を記述しながら,脱走犯フランクの過去,アデルが夫と別れた経過,ヘンリーと父との今の関係等を明らかにしていく….
レイバーデイの週末に起きた脱走犯を巡る事件とフランク・アデルの交流をを淡々と描写する穏やかな映画.人質と犯人のそれぞれが抱える人生の重荷とその困難さは,やがて観客の胸に落とし込まれていく.
物語は緊迫の終盤を迎えるが,この映画がもっとも感銘的なのはむしろその後に来るエピローグであろう.
ヘンリーに実父が告白をするカフェのシーンは心に残る.そして最後のアデルとフランクのシーンには,涙を禁じ得ない.人生の実りとは何かを考えさせられる映画,見て損はなし.
★★★★(★5個が満点)
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