番外:独断的歌舞伎感想文 十月大歌舞伎 夜の部
日記:2014年10月某日
歌舞伎座の「十月大歌舞伎 夜の部」を見る.
「一、菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ) 寺子屋」.出演:松王丸(仁左衛門),武部源蔵(勘九郎),戸浪(七之助),涎くり与太郎(国生),百姓吾作(松之助),春藤玄蕃(亀蔵),園生の前(扇雀),千代(玉三郎).「二、道行初音旅(みちゆきはつねのたび) 吉野山」.出演:佐藤忠信実は源九郎狐(梅玉),早見藤太(橋之助),静御前(藤十郎).「三、鰯賣戀曳網(いわしうりこいのひきあみ)」.出演:鰯賣猿源氏(勘九郎),傾城蛍火実は丹鶴城の姫(七之助),博労六郎左衛門(獅童),傾城薄雲(巳之助),同 春雨(新悟),同 錦木(児太郎),同 滝の井(虎之介),同 乱菊(鶴松),庭男実は薮熊次郎太市蔵),亭主(家橘),海老名なあみだぶつ(彌十郎).
寺子屋は豪華な配役である.ポイントはやはり勘九郎の源蔵と仁左衛門の松王丸だが,両者とも一歩も引かぬ気構えを見せ感銘的.
仁左衛門にさすがに懐の深さが覗え,印象に残った.
吉野山は苦手な踊り,退屈で寝そうになったが踏みとどまったのは橋之助が見たかったから.橋之助は元気だったが早見藤太は似合わない.この人(お兄さんも甥御も)はこの先どういうことになるのか?
鰯賣は2000年4月に勘九郎(18世勘三郎)と玉三郎で見て以来,この時の勘玉には誠に華があり,芝居は夢の様に楽しかった.
今回も勘三郎風で芝居が進んだが,勘九郎・七之助にはもっと華が欲しい.頑張れご両人!
しかし三島の狂言にここまで毒が無いとはね.さすがの三島も古典芸能には媚びを売るか.
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