独断的映画感想文:そこのみにて光輝く
日記:2014年11月某日
映画「そこのみにて光輝く」を見る.
2013年.監督:呉美保.原作:佐藤泰志.
出演:佐藤達夫(綾野剛),大城千夏(池脇千鶴),大城拓児(菅田将暉),中島(高橋和也),松本(火野正平),大城かずこ(伊佐山ひろ子),大城泰治(田村泰二郎).
達也は函館のアパートに住む青年.事情があって山砂利採取の仕事を辞め,酒とパチンコの無為な日々を送っている.
或る日パチンコで出会った拓児は人の良いチンピラ.拓児の家に誘われ,焼きめしをご馳走になる.
その家は海辺のバラックで,父は中風で寝たきり,母はその介護をし,姉千夏は夜の仕事をしている.拓児は喧嘩で人を刺し保護観察中の身,その保証人である拓児の雇用主・中島は,立場を利用して千夏の体を自由にしている.
達也は千夏に惹かれ二人は愛し合うようになるが….
「海炭市叙景」の原作者・佐藤泰志による,もう一つの函館の物語.
貧困の隘路に陥った人々の再生への苦闘を描く.
主人公達也,拓児,千夏の人物像が魅力的である上,それぞれを演じる役者が好演.特に菅田将暉の拓児は心に残る.
彼等の運命を切り拓くのは,まさに達也・千夏の愛情であり拓児・達也の友情であることが,観客の胸を打つであろう.
「海炭市…」同様函館の街の設定は重苦しいが,映画らしい魅力が際立つ好編,見て損はなし.
★★★★(★5個が満点)
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