独断的映画感想文:それでも夜は明ける
日記:2014年11月某日
映画「それでも夜は明ける」を見る.
2013年.監督:スティーヴ・マックィーン.
出演:キウェテル・イジョフォー(Solomon Northup),マイケル・ファスベンダー(Edwin Epps),ベネディクト・カンバーバッチ(Ford),ポール・ダノ(Tibeats),ポール・ジアマッティ(Freeman),ルピタ・ニョンゴ(Patsey),サラ・ポールソン(Mistress Epps),ブラッド・ピット(Bass),アルフレ・ウッダード(Mistress Shaw).
事実に基づく物語である.
19世紀中頃,ニューヨークに住む自由黒人ソロモンは,家族に恵まれ白人を含む友人達と付き合って静かに暮らしていた.
ところが2週間の約束でバイオリンを弾く仕事に雇われたソロモンは,興業が成功裏に終了したのち,興行主に騙され,奴隷として南部に売り飛ばされてしまう.
それでも最初彼を買った農場主フォードは,彼の才能を認める温厚な人柄だったが,彼をねたむ白人使用人との軋轢や経営上の問題から,ソロモンは別の農場主に転売される.ここで彼は綿花労働者として,日夜鞭打たれる暮らしを強いられることとなった….
主題は重く,黒人奴隷の日々の生活は悲惨を極める.
それにも拘わらずこの映画がエンタテインメントとして物語に富み,ハラハラどきどきさせ,最後にソロモンが自由を勝ち取り家族のもとに帰るまでの日々(勿論彼の同僚奴隷はそのまま置き去りにされるが)を描いて観客を魅了する力は,素晴らしい.
ソロモンという人物の人間性が,この様な辛苦の中でも筋が通っていることが映画の魅力の要因であろう.また,この時代の南部人が,黒人を鎖に繋ぎ鞭打って働かせることを,どのように自分の心に正当化するかも,垣間見られて興味深い.
見て損はない映画.
★★★★(★5個が満点)
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