独断的映画感想文:インターステラ-
日記:2014年12月某日
映画「インターステラ-」を見る.
2014年.監督:クリストファー・ノーラン.
出演:クーパー(マシュー・マコノヒー),アメリア・ブランド(アン・ハサウェイ),ロミリー(デヴィッド・ジャーシー),ドイル(ウェス・ベントリー),TARSの声(ビル・アーウィン),CASEの声(ジョシュ・スチュワート),マン博士(マット・デイモン),マーフィー(マーフ)(ジェシカ・チャステイン),マーフ(幼少期)(マッケンジー・フォイ),マーフ(老年期)(エレン・バースティン),ブランド教授(マイケル・ケイン),トム(ケイシー・アフレック),トム(幼少期)(ティモシー・シャラメ),ドナルド(ジョン・リスゴー).
近未来,地球の農作物は疫病にやられて次々に枯死し,荒れた土地は砂塵に覆われ,人類は緩慢な滅亡に向かっていた.NASAのパイロットとして事故に遭い退職,以来農場で働いているクーパーも作物の枯死に直面する.
新しい技術や宇宙から人類は目を背ける様になりNASAも解体,「アポロ宇宙船の月着陸はソ連を滅亡するための偽映像だった」という教科書の記述に抗議した娘のマーフィは,教師から異端視される始末だった.
そんな或る日,マーフィの部屋で怪現象が頻発,また重力の異変が近辺に現れる.重力の波動から一つの座標を読み取ったクーパーがマーフィと共に訪れたその場所は,密かに再構築されたNASAの宇宙船基地だった.
そこで元上司のブランド博士と出会ったクーパーは,土星に現れた次元の裂け目・ワームホールを経由して既に12名が人類の移住先を求めて冒険に出発,その内3地点から通信が返ってきていることを知る.ワームホールを越えその3地点へ科学者を送って欲しいと依頼されたクーパーは,マーフィの懇願を振り切って未知なる宇宙に出発する….
骨太で雄大なサイエンスフィクションを,圧倒的な映像とスリリングな展開で描ききる,クリストファー・ノーランの力業を見せつけられる作品.
広大な宇宙を舞台に,ブラックホール近傍のウラシマ効果を織り込み,地球とは時間と空間を遙かに隔てた主人公達の絶対的な孤独と悲哀の物語は,誠に印象的だ.絶望的な状況から死力を尽くして道を切り開くクーパー達に,深い感銘を受けると同時に,地球から微かに届くマーフィの劣化した映像に涙を流すクーパーに,共感を禁じ得ない.
光瀬龍で育ち,フレデリック・ポールに影響された自分のSF魂が揺さぶられる好編.ハンス・ジマーの音楽も素晴らしい.荒涼とした宇宙の映像に加え,同じ監督の「インセプション」にもつながる5次元空間の描写も素敵.一見の価値あり.
★★★★☆(★5個が満点)
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