独断的映画感想文:昔々、アナトリアで
日記:2015年1月某日
映画「昔々、アナトリアで」を見る.
2011年.監督:ヌリ・ビルゲ・ジェイラン.
出演:ムハンメト・ウズネル,イルマズアルドアン,タネル・ビルセル,アーメット・ムンターズ・タイラン,フィラット・タニシュ,アルジャン・ケサル.
製作国トルコ/ボスニア・ヘルツェゴヴィナという異色作.ゆったりとした時間の流れ,長回しを多用し台詞の少ない画面,いかにも映画らしい映画である.
映画の冒頭,夕暮れの緩やかに重なり合う丘を巡る道路を,遠くからやって来る警察車輌3台を撮る長いシーンは,大いに魅力的.
但し,150分という長尺で途中はいささか持て余した.以下ネタバレあります.
内容は男が友人を殺害してその死体を某所に埋め,逮捕されてその死体を探して警察官とあちこちを探し歩くというのが前半.酔った挙げ句の犯行なので場所が判らず,担当警部と検察官は夜っぴて捜索に付き合う羽目になる.死体が見つかり検視が終わるまでが後半.これ以外のドラマが起きる訳ではない.
但し話の途中で犯人が凶行に及んだ事情の一端が明らかになり,検察官の妻の死の背景が語られ,警部の直情径行さと家庭の事情が明らかになる.
この様に,登場人物とその会話はそれぞれに魅力的だが,現代日本人である僕としては,この映画の時間の流れに同調するのはいささか難しかった.映画的魅力との間で葛藤する映画.
★★★(★5個が満点)
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