独断的映画感想文:パーソナル・ソング
日記:2015年2月某日
映画「パーソナル・ソング」を見る.
2014年.監督:マイケル・ロサト=ベネット.ドキュメンタリーである.
かってIT業界で働いていたソーシャルワーカーのダン・コーエン,彼のアイディアで認知症患者に若い日好きだった音楽を聴いて貰うと,劇的な変化が起きた.
94才のヘンリーは認知症で殆ど会話も成り立たなかったが,好きな音楽を聴いて自分も歌い出し,昔の記憶が甦ってそれを話し出した.他にも若き日の音楽を聴いて踊り出すもの,感情が甦り微笑みを浮かべるもの,逆に過剰な感情がコントロールされ穏やかになる人等々,音楽による劇的な反応が紹介される….
人間の脳にはさまざまな回路があるらしい.
認知症によって閉ざされてしまった回路の他にも,音楽による刺激で別な回路が動き出したとしか思えない,これらの反応だった.
ダン・コーエンはこれらの症例を撮影していく一方,音楽療法の効果を訴え,音楽を聴かせるための補助金の支給を求めて苦闘する.アメリカで膨大な数に上る認知症患者と,彼等を介護する更に大勢の介護人達.その多くの人に希望を与える映画である.
それにしても,患者に元気を与える音楽は50年代のものが大勢だったのに,映画の中盤ではビートルズも流れてきて,ビートルズ世代がもはや認知症世代なのかと,いささかがっくりした次第.
認知症になる前から音楽を楽しみ,人生を楽しむのが良さそうである.
★★★☆(★5個が満点)
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