番外:独断的歌舞伎感想文 髪結新三
日記:2015年3月某日
国立劇場で歌舞伎を見る.
「梅雨小袖昔八丈(つゆこそでむかしはちじょう)髪結新三」三幕六場.
河竹黙阿弥=作.国立劇場美術係=美術.
序幕 白子屋見世先の場,永代橋川端の場.二幕目 冨吉町新三内の場,家主長兵衛内の場,元の新三内の場.大詰 深川閻魔堂橋の場.「三人形(みつにんぎょう)」.常磐津連中.国立劇場美術係=美術.(出演)中村橋之助,中村錦之助,市川門之助,中村松江,中村児太郎,中村国生,中村柴のぶ,坂東秀調,市村萬次郎,市川團蔵.
橋之助の髪結い新三は楽しみにしていたのだが,今ひとつ乗り切れない.
頭には一昨年見た三津五郎の新三が残っていて,それと比べると爽やかさ・さばさばした後味の良さが未だ橋之助には足りない様だ.
橋之助はこの時,弥太五郎源七を演じていて,その方がニンには合っていた気がする.児太郎,秀調,柴のぶはこの時と同じ配役.
今回は萬次郎・團蔵の家主夫婦が好演,国生の勝奴はちょっと目つきが悪すぎる.
それはそれとして,この髪結新三という芝居自体は魅力的な芝居である.
粋でいなせなちょい悪の髪結新三が,大店の手代を騙して店の娘をかどわかしたは良いが,一枚上手の大家におたからをすくわれるというお話し.登場人物の誰もがとことんのワルではなし,どこかそれぞれ抜けているキャラクターが面白い.
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