独断的映画感想文:夢売るふたり
日記:2015年2月某日
映画「夢売るふたり」を見る.
2012年.監督:西川美和.
出演:松たか子(市澤里子),阿部サダヲ(市澤貫也),田中麗奈(棚橋咲月),鈴木砂羽(睦島玲子),安藤玉恵(太田紀代),江原由夏(皆川ひとみ),木村多江(木下滝子),香川照之(外ノ池俊作/外ノ池明浩),笑福亭鶴瓶(堂島哲治).
板前の貫ちゃんと里子の夫婦二人でやっていた居酒屋市澤は,5周年の当日に失火で焼け,二人は一からの出直しを強いられる.
里子はラーメン屋でバイトし必死に貫ちゃんを支えるが,誇り高い板前である貫ちゃんは雇われ板前がうまくいかず,酒に溺れるようになる.
或る日酔い潰れ終電に乗り遅れた貫ちゃんは,偶然居酒屋の客だった玲子と出会い一夜を共にする.玲子は貫ちゃんの苦境を知り,愛人からの手切れ金として受け取った金を気前よく貸してくれる.
喜び勇んで帰宅した貫ちゃんだが,浮気は一発でばれ里子は怒りに逆上,札束に火をつけ貫ちゃんに叩きつける….
これをきっかけに里子は貫ちゃんに結婚詐欺を命令,貫ちゃんが莫大なお金を稼ぎ出すその顛末.
愛妻から鬼嫁までを演じきる松たか子の迫力ある演技が何といっても魅力的.純情な板前としてカモに近づき金を巻き上げながら,余りに純情なカモに葛藤する貫ちゃんを演じる阿部サダヲもうまい.
この両者の夫婦として互いを突き放し合い,また互いを求めあう感情のもつれも見応えがある.
終盤まで結末が見えてこないドラマの構成も素敵.映画らしい映画の条件を満たしている.見て損はなし.
★★★★(★5個が満点)
人気ブログランキングへ
コメント