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2015年4月に作成された記事

2015/04/24

独断的映画感想文:グランド・ブダペスト・ホテル

日記:2015年4月某日
映画「グランド・ブダペスト・ホテル」を見る.1
2013年.監督:ウェス・アンダーソン.
出演:レイフ・ファインズ(ムッシュ・グスタヴ・H),F・マーレイ・エイブラハム(ミスター・ゼロ・ムスタファ),エドワード・ノートン(ヘンケルス),マチュー・アマルリック(セルジュ・X),シアーシャ・ローナン(アガサ),エイドリアン・ブロディ(ドミトリー),ウィレム・デフォー(ジョプリング),レア・セドゥ(クロチルド),ジェフ・ゴールドブラム(代理人コヴァックス),ジェイソン・シュワルツマン(ムッシュ・ジャン),ジュード・ロウ(若き日の作家),ティルダ・スウィントン(マダムD),ハーヴェイ・カイテル(ルートヴィヒ),トム・ウィルキンソン(作家),ビル・マーレイ(ムッシュ・アイヴァン),オーウェン・ウィルソン(ムッシュ・チャック),トニー・レヴォロリ(若き日のゼロ).2
架空の国ズブロフスカの作家が書いた,素敵なホテルのコンシェルジュと部下のロビーボーイの物語.
時は1932年,ホテルの名コンシェルジュ・グスタヴはホテルの隅々にまで気を配り,客あしらいは良く,子供の遊び相手も有閑夫人の夜の相手もこなす人気者.助手としてロビーボーイのゼロを指導するがこちらもなかなかはしっこい少年.
ところが常連客のマダムDが自宅で不慮の死を遂げる.グスタヴとゼロが駆けつけるとマダムDは高価な名画をグスタヴに残したことが判明,相続人のドミトリーはグスタヴを殺人犯として告発する.3
グスタヴとゼロは,ドミトリーの殺し屋・ジョプリングの追及をかわしつつ,ゼロの恋人アガサや各地のホテルのコンシェルジュの応援を得て,真犯人を求めてヨーロッパ中を駆け巡るが….
おとぎ話の絵本の様な美しい画面で描かれる,ミステリーコメディ.無声映画時代の様なドタバタギャグや,ドキドキしない殺人シーンが快調なテンポで描かれる.
豪華な配役がコメディアン・コメディエンヌとして活躍するのも見応えあり.夢の様な100分間,但し背後には戦争の影もある.4
現代の女学生が作家の墓を訪ねるシーン,その作家が晩年に,若いとき聞いた話を作品にしたと物語るシーン,その作家の若いときに晩年のゼロから話を聞くシーンという冒頭の入れ子構造が,結末で逆向きに繰り返され墓の前の女学生で終わるという構成が,楽しい.5
映画らしい映画,見て損はなし.★★★★(★5個が満点)
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2015/04/20

独断的映画感想文:ビッグ・リボウスキ

日記:2015年4月某日
映画「ビッグ・リボウスキ」を見る.Lebowski281
1998年.監督:ジョエル・コーエン.
出演:ジェフ・ブリッジス(ザ・デュード),ジョン・グッドマン(ウォルター・ソブチャック),ジュリアン・ムーア(モード・リボウスキ),スティーヴ・ブシェミ(ドニー),ピーター・ストーメア(ニヒリスト),サム・エリオット(ザ・ストレンジャー),ジョン・タートゥーロ(ジーザス・クィンタナ),デヴィッド・ハドルストン(ザ・ビッグ・リボウスキ),ベン・ギャザラ(ジャッキー・トリホーン).
仕事もないのに気楽に暮らしているジャフ・リボウスキ(通称デュード),ある晩2人組のチンピラに襲撃され妻の借金返済を迫られる.Lebowski30
妻のいないデュードは,同姓同名の金持ちザ・ビッグ・リボウスキと間違えられたと直感,彼の家に乗り込むがけんもほろろにあしらわれる.
ところが今度はリボウスキの方から頼み事があると連絡,妻が誘拐され100万ドルを出すよう脅迫されているという.犯人の顔を知っているデュードに金の受け渡し役を頼みたいというのだ.
デュードは報酬をあてに引き受けるが,彼の車に親友のウォルターが強引に乗り込んできたところから話は滅茶苦茶な様相を呈し始まる….
ウォルターはベトナム帰りのトラウマを持つ傲岸不遜,人の話は一切聞かず自分の主張を押し通す乱暴者.
デュードはウォルターとドニーの3人でボウリングのリーグ戦に参加しているが,そこでもウォルターはトラブルを繰り返す.Lebowski663
デュードにはリボウスキの娘で前衛芸術家のモードも接近,更に誘拐犯のニヒリストグループ,当初のチンピラ2人組,ポルノプロデューサー・トリホーン等怪しい人物が入れ替わり立ち替わりデュードを襲ったり呼び出したり,コーエン兄弟お馴染みの脱力系不条理コメディが展開される.
事件は一応解決を見るが,それと関係なくボウリング3人組は突然解散の憂き目を見,映画は唐突に終了していく.Lebowski920
コーエン兄弟という何とも言えない可笑しさの家元を味わうには,うってつけの映画.俳優も(特にジェフ・ブリッジス,ジョン・グッドマン)が見応えあり.
★★★★(★5個が満点)
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2015/04/09

独断的映画感想文:味園ユニバース

日記:2015年4月9日
映画「味園ユニバース」を見る.0
2015年.監督:山下敦弘.
出演:渋谷すばる(森茂雄&ポチ男),二階堂ふみ(佐藤カスミ),鈴木紗理奈(マキコ),川原克己(タクヤ),松岡依都美(大森のり子),宇野祥平(大森利行),松澤匠(ショウ),野口貴史(佐藤耕太郎),康すおん(店主/ホームレス/塚田/大森和雄),「赤犬」.
映画の冒頭,刑務所を出所する男.
男は兄貴分の迎えを受けるが,街角で車を降ろされた後,謎の集団に襲撃拉致される.頭を強打された男は記憶を失い,とある公園の夏祭りに迷い込む.2
ここで演奏中のバンド・赤犬のマイクを奪い,アカペラで「古い日記」を熱唱した男はそのまま昏倒,赤犬のマネジャーでスタジオを経営する佐藤カスミの家へ担ぎ込まれる.
以降男はポチ男と命名され,スタジオの雑務を手伝ってカスミの家に同居する一方,故障したボーカルに代わり赤犬のボーカルを担当するようになる.
急死した父の後を継いでスタジオを守るカスミは,高校にも行かないままスタジオを守り,絶対的権威を持って赤犬に指示を出す.ポチ男はカスミの言うままにボーカルに取り組んでいたが,記憶は次第に甦って….
音楽映画は好きである.4
この映画は音楽を題材にしたおとぎ話,記憶を無くしまっさらの状態でカスミの前に現れたポチ男は,未来に向けて進むしかない存在だった.一方父の衣鉢を継いでスタジオを守るカスミは,過去にとらわれている少女.
記憶が甦りヤクザもんの自らと向き合うポチ男とカスミの対決は,胸が痛む.
この映画の見どころは,主演渋谷すばるの歌唱にある.冒頭の夏祭り会場での「古い日記」歌唱の素晴らしい出だしで,観客の心は鷲掴みにされるだろう.このシーンのために,後半でポチ男がいかにヤクザもんであったかが明らかにされても,カスミと観客の心はポチ男から離れることがない.1
一方,実在のバンドである「赤犬」のパフォーマンスのすばらしさも特筆されるべきものだ.このバンドはブラスとコーラス・ダンスを加えた13人編成.映画に垣間見られる,終盤の味園ユニバースに於ける彼等のライブの模様は,実に素晴らしい.
山下監督特有のユーモアも素敵,見て損はなし.
★★★★(★5個が満点)
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2015/04/08

独断的映画感想文:ぼくの伯父さん

日記:2015年4月某日
映画「ぼくの伯父さん」を見る.0
1958年.監督:ジャック・タチ.脚本:ジャック・タチ,ジャック・ラグランジュ.台詞:ジャック・タチ.撮影:ジャン・ブールゴワン.音楽:アラン・ロマン,フランク・バルチェッリーニ.
出演:ジャック・タチ,アラン・ベクール,ジャン=ピエール・ゾラ,ドミニク・マリ,アドリアンヌ・セルヴァンティ.
プラスティック工場の支配人アルペル氏は,妻と息子ジェラールと共に新築の邸宅に住む.邸宅は機械化されていて,自慢の庭には噴水も.1_2
一方ジェラールはそういう自宅が大の苦手,下町に住む母の兄・ユロ伯父さんと出かけ,街の悪ガキ達と遊ぶのが大好きだ.
自由人のユロ伯父さんをアルペル氏は気にして,彼を自分の工場に就職させようとしたり,隣のご婦人とユロ伯父さんを結婚させようとパーティーを開いたりするが….
懐かしいテーマ音楽と共に綴られる,連続4コマ漫画のようなコメディ映画.2_2
無機質なアルペル氏の生活と工場に対比して,何も生産しないが和やかで楽しいユロ伯父さんの世界を描く.
何と云っても60年近く前の映画,牧歌的なギャグとゆったりしたテンポには最初途惑うが,味のある登場人物(それはアルペル氏も含めて)にいつしか魅了される.
ジェラールと街の悪童達と全く同じ位置づけで登場する,アルペル氏の愛犬ダックスフントと街の野良犬たちが演技賞ものの活躍.3_2
監督・脚本と大活躍のジャック・タチの伯父さんが心に残る.最後のハッピーエンドも,ちょっとしゃれていますね.★★★☆(★5個が満点)
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独断的映画感想文:ダイ・ハード/ラスト・デイ

日記:2015年4月某日
映画「ダイ・ハード/ラスト・デイ」を見る.1
2013年.監督:ジョン・ムーア.
出演:ブルース・ウィリス(John・McClane),ジェイ・コートニー(Jack・McClane),コール・ハウザー(Collins),メアリー・エリザベス・ウィンステッド(Lucy・McClane),ユーリヤ・スニギーリ(Irina),ゼバスチャン・コッホ(Komorov).
息子ジャックがモスクワでトラブルに巻き込まれたらしい.
娘ルーシーにくれぐれも穏やかにと釘を刺されてモスクワに降り立ったジョン,しかしジャックと出会った途端から大変な争いに巻き込まれる.2
ジャックはモスクワの政争で逮捕されたコモロフを救出し,政敵に関する秘密ファイルを手に入れようというCIAの作戦に従事していたが,相争う二派の間でCIAのエージェントは壊滅,ジョンとジャックは独力でコモロフ救出作戦を続行する羽目になる….
相変わらずのノンストップアクション.見始めたが最後おしっこに行く暇もありません.3
父親を毒づきながら,全く同一のDNAを持つこの親子,要所要所で息のあったコンビアクションを繰り広げます.
物語の筋は荒唐無稽で突っ込みどころ満載だが,もうこうなったらそういうことは良いよねっ的納得感に頭が支配されるのは,ダイ・ハード25年の歴史の賜物か.
とにかく休みなく繰り広げられる凄まじいアクションと,マックレーン以外みんな全滅という爽快感に身を任せよう.あっという間の98分間,後には何も残りません.4
★★★☆(★5個が満点)
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