独断的映画感想文:浮雲
日記:2015年4月某日
映画「浮雲」を見る.
1955年.監督:成瀬巳喜男.
出演:高峰秀子(幸田ゆき子),森雅之(富岡),中北千枝子(妻・邦子),岡田茉莉子(おせい),山形勲(伊庭杉夫),加東大介(向井清吉),木匠マユリ(飲み屋の娘),千石規子(屋久島の小母さん).
ネタバレあります.
太平洋戦争中,南方駐屯地で愛人関係にあったゆき子と富岡.終戦後引き上げてきたゆき子は富岡を訪ねるが,富岡は妻と別れるという約束を違え,役所も辞めて材木で一山当てると言う.
捨てられた由紀子は米兵のオンリーとなりバラックに住む.やがて富岡とよりを戻し二人で伊香保へ旅行するが….
既に評価の定まった名作.
隙の無い映像,男女の運命の変転,それぞれ役にはまった俳優達の好演が魅力的.特に森雅之のどうしようもない富岡像は秀逸.投げやりで無責任,それなのに女に対しては上から目線の台詞の積み重ねは,この人ならではという感じがする.
結局富岡を巡る女性は全て無念の死を遂げる訳だが,それにも拘わらず,ラストシーンの富岡の涙には共感するところがある.
音楽も悪くない.この時代のいかにも日本映画らしい映画.
★★★★(★5個が満点)
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