番外:独断的歌舞伎感想文 平成中村座 妹背山婦女庭訓/高坏/極付 幡随長兵衛
日記:2015年5月某日
歌舞伎「平成中村座 陽春大歌舞伎 夜の部」を幕の内側「桜席」で見る.
「一、妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)三笠山御殿」.出演:杉酒屋娘お三輪(中村七之助),漁師鱶七実は金輪五郎今国(中村獅童),橘姫(中村児太郎),豆腐買娘お柳(波野七緒八),豆腐買おむら(中村勘九郎),烏帽子折求女実は藤原淡海(中村橋之助).「二、高坏(たかつき)」.出演:次郎冠者(中村勘九郎),高足売(中村国生),太郎冠者(中村鶴松),大名某(片岡亀蔵).「三、極付 幡随長兵衛(ばんずいちょうべえ)「公平法問諍」」.出演.幡随院長兵衛(中村橋之助),女房お時(中村七之助),出尻清兵衛(中村勘九郎),伊予守源頼義(坂東新悟),御台柏の前(中村児太郎),子分極楽十三(中村国生),同 雷重五郎(中村宗生),同 閻魔大助(中村宜生),同 笠森団六(中村鶴松),近藤登之助(片岡亀蔵),唐犬権兵衛(中村獅童),水野十郎左衛門(坂東彌十郎).
「三笠山御殿」は短縮版ながら,お三輪と鱶七の芝居が良くて面白かった.反面,橘姫と求女の芝居は端折りすぎのせいか話が良く分からず消化不良.
これでは求女は只の不実な遊び人という感じになってしまう.
「高坏」は踊りが面白く楽しく見た.後半のタップダンスになると客席から手拍子が入って賑やか.幕が閉まった後,まだ踊りながら勘九郎が桜席に向かって指を1本上げあと一回とサインし,もう1クール踊って終了したサービスが嬉しかった.
「幡随長兵衛」は,まず今回名代昇進の中村いてうが劇中劇の公平を演じたのが出来が良く,更に劇中劇中口上で挨拶したのが客席から拍手で迎えられて良い雰囲気.
橋之助の長兵衛ははまり役で,台詞の乗りも良く,絶好調であった.
国生はどうも目つきが悪すぎる.宗生・宜生の台詞は,未だ歌舞伎以前の段階.鶴松に比べるのはちょっと気の毒か.
亀蔵,獅童,彌十郎,柴のぶが手なれた演技で脇を固める.最後の湯殿の場面は凄惨な迫力に思わず身を乗り出した.
やはり中村座の雰囲気は捨てがたい.この芝居小屋が今後とも続きます様に.
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