独断的映画感想文:her/世界でひとつの彼女
日記:2015年6月某日
映画「her/世界でひとつの彼女」を見る.
2013年.監督:スパイク・ジョーンズ.
出演:ホアキン・フェニックス(セオドア・トゥオンブリー),エイミー・アダムス(エイミー),ルーニー・マーラ(キャサリン),オリヴィア・ワイルド(デートの相手),クリス・プラット(ポール),マット・レッシャー(チャールズ),ポーシャ・ダブルデイ(イザベラ),声の出演:スカーレット・ヨハンソン(サマンサ).
ネタバレあります.
セオドアは手紙の代筆を業とする.妻とは離婚調停中だが,彼には未練がある.ネット上で拾った相手とテレフォンセックスをする味気ない日々.
或る日人工知能による新しいOSの広告を見た彼は,早速ダウンロードする.OSはサマンサと名乗り,彼の日常生活を支え,話し相手になる.
サマンサに勇気づけられ,彼は新しい相手とのデートに臨むが,それは失敗.サマンサに慰められセオドアは,彼女と声によるセックスを経験する….
近未来SFとしては平凡な筋書きだ.
サマンサはこの後,新しい段階に進化して(らしい)彼を捨てる.セオドアは,同じようにOSに捨てられた昔馴染みのエイミーと再出発する状況となって映画は終わる.
しかし,鉄腕アトムをロボットとしてイメージする僕らにとって,この映画はかなり違和感のあるものとなった.
OSサマンサが,当然の様にカスタマーであるセオドアとセックスをしようとするのが,まず受け入れられない.OSとそういう関係になって,喧嘩したり仲良くなったりということがありうるだろうか?
また終盤に,サマンサが実はネット上の存在であることが明かされるのもおかしい.
OSとしてセオドアの殆ど全ての個人情報を得る立場にあるサマンサが,実は彼のPCに所属するのではない,というのはルール違反ではないか.
サマンサは実は800人以上のカスタマの共有物であった.そうするとこれはSFというよりは寓話だと受け止めざるを得ない.それにしては平凡な筋書きだというのが,この映画の感想である.
ホアキン・フェニックスやエイミー・アダムスは好演.
★★★☆(★5個が満点)
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