独断的映画感想文:ウィズネイルと僕
日記:2015年6月某日
映画「ウィズネイルと僕」を見る.
1987年.監督:ブルース・ロビンソン.
出演:リチャード・E・グラント(Withnail),ポール・マッギャン(I/Marwood),リチャード・グリフィス(Monty),ラルフ・ブラウン(Danny),マイケル・エルフィック(Jake).
ウィズネイルと僕は売れない貧乏役者.ゴミためのようなアパートで共同生活しているが,仕事は滅多になく朝から酒を飲みタバコを吹かす毎日.
食い詰めた彼等はウィズネルの伯父モンティの別荘を借りることに成功し,おんぼろジャガーで乗り込むが,別荘には薪もなく食料もない.
冷たい雨の中出かけた僕は,近くの農民から薪を調達し鶏を購入.しかし村のパブでは地元の人にゲイと罵られる.
伯父モンティが突然終末に訪ねてきて,皆彼が持参したワインを堪能するが,その夜僕は人生最大の危機に直面する….
60年代末のイギリスを舞台に描かれる若者像.
性と文化の革命期60年代も煮詰まったこの頃,ある者はそこから離陸を果たしある者はそのゴミための中に埋もれていく.
若者二人の荒れた生活や,村の人たちへの虚言,居丈高で嘲弄的なもの言いなど,見ていて相当に痛い映画だが,日本でも団塊の世代の若者達を始め僕自身も含め,同様な青春が繰り返されたのがこの時代である.それを率直に描いた映画として,痛いながらも魅力がある.
リチャード・E・グラント,リチャード・グリフィスが,付き合うのはまっぴらだが悪人とまでは言えない個性的な面々を熱演.
最後のシーン,動物園の檻を相手に雨中シェークスピアを演じるウィズネイルが,印象的だ.
★★★☆(★5個が満点)
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