番外:独断的歌舞伎感想文 六月大歌舞伎 昼の部 天保遊俠録/新薄雪物語
日記:2015年6月某日
歌舞伎座で「六月大歌舞伎 昼の部」を見る.
「一、天保遊俠録(てんぽうゆうきょうろく)」.出演:小吉(橋之助),芸者八重次(芝雀),芸者茶良吉(児太郎),松坂庄之助(国生),唐津藤兵衛(松之助),井上角兵衛(團蔵),大久保上野介(友右衛門),阿茶の局(魁春).「二、新薄雪物語(しんうすゆきものがたり) 花見 詮議」.出演: 〈花見〉 奴妻平(菊五郎),秋月大膳(仁左衛門),園部左衛門(錦之助),薄雪姫(梅枝),花山艶之丞(由次郎),渋川藤馬(松之助),清水寺住職(錦吾),来国行(家橘),来国俊(橋之助),腰元籬(時蔵),団九郎(吉右衛門). 〈詮議〉 幸崎伊賀守(幸四郎),園部兵衛(仁左衛門),松ヶ枝(芝雀),園部左衛門(錦之助),薄雪姫(児太郎),茶道珍才(隼人),役僧雲念(桂三),秋月大学(彦三郎),葛城民部(菊五郎).
天保遊俠録は小吉を橋之助が演じる.橋之助はやはりこういう役に向いているのは間違いないが,今回はべらんめえが過ぎて,何を言っているのか聞き取れない場面が多かった.
国生の庄之助も口跡が今ひとつ.魁春が流石の貫禄で芝居を締めていた他,児太郎の芸者茶良吉がすっきりした立ち姿で美しかった.
新薄雪物語は菊五郎,仁左衛門,吉右衛門,幸四郎の競演でさすがに素晴らしい充実の舞台.
昼の部はそのなかでも菊五郎が,「花見」終わりの立ち回り,「詮議」民部の裁きと,良いところをさらっていった.
仁左衛門は悪と善との二役で見応えあり.他に梅枝,錦之助,魁春がすてきだった.
夜の部と併せ,これが歌舞伎だと納得させる新薄雪物語だった.記憶に残る舞台である.
人気ブログランキングへ
コメント