番外:独断的歌舞伎感想文:義経千本桜 渡海屋の場・大物浦の場
日記:2015年7月某日
国立劇場「歌舞伎鑑賞教室」を見る.
解説:歌舞伎のみかた.中村萬太郎.「義経千本桜 (よしつねせんぼんざくら)一幕二場 渡海屋の場・大物浦の場」.竹田出雲・三好松洛・並木千柳=作.中村吉右衛門=監修.国立劇場美術係=美術.出演:尾上菊之助,坂東亀三郎,中村萬太郎,尾上右近,中村梅枝.
岳父・中村吉右衛門の監修によるこの名作を,菊之助が気力充実,渾身の舞台で魅せた.
辺りをはらう渡海屋銀平の堂々たる主人ぶり,安徳帝に忠義を捧げる武者・知盛の悲壮な最期など,心にしみる演技である.
死を決意して以降の悲劇の盛り上がりも素晴らしい.
更に化粧に工夫があるのだろう,小顔が大きく見えるところ,終盤の知盛の眼の紅なども印象的だ.
梅枝も魅力的,安徳帝を抱きすっと立つ立ち姿が,気品があり美しい.
充実の舞台であった.
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