独断的映画感想文:海街diary
日記:2015年8月某日
映画「海街diary」を見る.
2015年.監督:是枝裕和.
出演:綾瀬はるか(香田幸),長澤まさみ(香田佳乃),夏帆(香田千佳),広瀬すず(浅野すず),加瀬亮(坂下美海),鈴木亮平(井上泰之),池田貴史(浜田三蔵),坂口健太郎(藤井朋章),前田旺志郎(尾崎風太),キムラ緑子(高野日出子),樹木希林(菊池史代),リリー・フランキー(福田仙一),風吹ジュン(二ノ宮さち子),堤真一(椎名和也),大竹しのぶ(佐々木都).
幸田家の3姉妹に父の訃報が届いた.
3姉妹は鎌倉の古い家に住む.父は15年前にその家を出奔,不倫相手との生活に入った.やがて母は再婚したが,3姉妹を置いて北海道の相手の家に嫁いだ.
3姉妹は祖父母と大叔母の元で成人したが,祖父母は既に亡い.
山形での父の葬儀に参列した彼女らを出迎えたのは,異母妹の中学生・すずだった.すずの母は既に病没,3姉妹はすずに鎌倉の家に来る様勧める.かくして4姉妹となった彼女らの生活がスタートする….
設定の複雑さに比べ,4姉妹の鎌倉での生活は平穏・平凡である.
すずはしっかり者で素直,地元のサッカーチームに加入し,友達もできた
幸は家長としての責任感を持つ腕利きの看護師だが,恋人は既婚の同僚医師である(つまり不倫).
佳乃は地元金融機関に勤めるが,酒癖悪く男運がない22才.
千佳は地元スポーツ用品店に勤めるほんわかした19才,同じくほんわかした店長とほのぼのした関係にある.
この4姉妹のキャスティングが,映画成功の最大のポイントであろう.この配役を得て,観客は美しい古都鎌倉を舞台とした4姉妹の息づき・成長を見守ることができる.
中盤,祖母の法事に久しぶりに帰ってきた母と4姉妹の関係が,物語に波乱をもたらすが,それはすずと3姉妹との関係を更に深め彼女たちの成長を促す結果となる.
亡き父のことを「優しいだけで駄目な人だった」と評していた幸が,「駄目だったけど優しいお父さんだったね」と語る様になる,そのことが彼女たちの成長を象徴しているだろう.
俳優は4姉妹それぞれが好演,樹木希林はこの人にしかできない存在感ある大叔母を演じた.前田旺志郎くんが健闘.鎌倉の四季を描く映像も美しい.
心休まる,素敵な映画.見て損はなし.
★★★★(★5個が満点)
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