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2015/08/11

独断的映画感想文:イグジット・スルー・ザ・ギフト・ショップ

日記:2015年8月某日
映画「イグジット・スルー・ザ・ギフト・ショップ」を見る.0
2010年.監督:バンクシー.
出演:ティエリー・グエッタ,スペース・インベーダー,シェパード・フェアリー,バンクシー.
街頭に型紙を使った落書きをしたり,美術館に自作の絵をいつの間にか展示していたりという活動で有名な覆面芸術家・バンクシーによる一風変わったドキュメント.
ロスの撮影マニア・ティエリ-は,従兄弟がスペース・インベーダーのアートを夜な夜な街頭に貼り付ける活動をしているのを撮影して,それにはまってしまう.以来,ティエリーは街頭で落書きを行う無数の芸術家の活動を,撮り続けた.1
そして偶然のチャンスから,敬愛するバンクシーの活動を撮影する機会に恵まれ,以来二人は知己となる.
ティエリーは,バンクシーに勧められショーを開くことになるが,バンクシー自身のショーの成功に刺激されたティエリーは,自らをMister.Brain.Wash(洗脳男:MBW)と名乗り,暴走を開始する….
この顛末をティエリー自身の撮った映像,ティエリーへのインタビュー映像,バンクシーのスタッフが撮影したティエリーの映像等から構成したのがこのドキュメントである.2
最初はごく普通のドキュメントだったこの映画,ティエリーがMBWとして暴走していくあたりから,あたかもフィクションを見ている様な奇妙な感覚に包まれていく.
というのは,ティエリーは芸術家としては全くの素人なのに,ティエリーが口で説明してスタッフがコピーと切り貼りで制作していく様な大量の作品群が,MBWの作品として飛ぶ様に売れ,ショーの売り上げは100万ドルを超えるという結果となるからだ.4
信じられない様なMBWの成功を,対象者自身の映像を使って覆面芸術家バンクシーが皮肉一杯に描いていくという,フィクションとしても滅多にお目にかかれない複雑な構成が,観客を翻弄する.
この面白さは,なかなか伝え難い.見て頂く他はない,一見の価値あり.
★★★★(★5個が満点)
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