阿佐谷ジャズストリート2015観戦記
10月23日(金)・24日(土)は,第21回の阿佐谷ジャズ・ストリート.その観戦記を以下記したのでご検分願いたい.
23日はまず,新東京会館の「昼下がりのジャズ」を聞きに行く.
ここは小田陽子のバンドのドラムスとベースに上保一恵(p)高見沢宏昌(ts)が加わったバンド.ボーカルのKAYO,マリア・エヴァが加わりまずまず楽しいセッション.
次いでU.S.AirforceのバンドAsia Pacific Show Caseを産業商工会館で聞く.いかにも若手のアメリカらしいフュージョン系.この人達はプロのミュージシャンだというが,空軍関係の仕事はしないのだろうか?ベースのエミリが作ったPromiseというバラードが美しかった.
次は中杉通りを北へ歩いて歩いてルーテルむさしの教会へ.野口迪生カルテットを聴く.ベテランの穏やかなカルテットの古いジャズ.受付に赤ちゃんがいたが,野口迪生の生まれたばかりの孫だという.
また中杉通りを歩いて歩いて山下洋輔ライブ会場神明宮へ.
山下洋輔はニューヨークトリオの演奏.セシル・マクビー(b),フローン・アクラフ(ds).
曲目は「七つの尾の猫」「Gentle conversation」「新世界より」「ニューオーリンズ」「クルディッシュ・ダンス」.
山下洋輔としてはあまり格闘技系に走らない穏やかなセッションだったが,とにかく一流のプレイヤーの必要にして充分なツボにはまった名演が,何とも心地よい.特に2曲目のバラードが美しく素晴らしかった.クルディッシュ・ダンスも音楽性が高く聴き応えあり.大満足して終了.
阿佐谷教会に行ってスパニッシュ・デュオunoを聞く.大平重成(g),大平里見(p),会田桃子(vln),海沼正利(per),安カ川大樹(b).冒頭の「アルハンブラ宮殿の思い出」は,ピックのみでマンドリン奏法でのギター演奏.ピアノ伴奏で実に見事.後半は殆どオリジナルで,とにかく叙情的なメロディと高い演奏技術が素晴らしい.
翌24日は,まずは杉並区立杉並第一小学校体育館へ.
杉一ジュニアバンドが東日本ブロックの吹奏楽優勝を遂げ(10月12日)凱旋公演としてのAJS参加である.
優勝曲の白鳥の湖終章は素晴らしかった.前に出てソロを取る児童が,しゃれた帽子とベストの衣装着ているのに足下が普通の上履きなのも,いかにも小学生.
次いで産業商工会館へ.
峰厚介フォーエヴァーカルテットは,峰厚介(ts),清水絵理子(p),須川崇志(b),本田珠也(ds).
メインストリーム・ジャズと銘打っているがまさにその通り,しかも過激である.
毎年思うのだが,このとぼけた温厚そうな峰厚介のどこに,こういう格闘技系ジャズを追求する情熱が潜んでいるのだろう?
ピアノとドラムスは2012年のカルテットと同じ,ベースは昨年日野皓正のバックにいた人.全編聴き応えのある素晴らしい本格ジャズであった.
その後久遠キリスト教会のRe-Trickを聞く.
ここは火の出る様なセッション.アグレッシブ・ジャズと銘打っているが,素晴らしいテクニックに裏打ちされた3人組,菅原敏(p),渡辺雅之(ds),井上亮(b).
ソロを交代で取るという形は全く取らず,最初から最後まで3人共に全力で走るという,カーレースの様なジャズだ.ベースは比較的コード進行に徹する様だが,このチームの牽引者はベースらしい.
とにかく凄い疾走感ははまったら病みつきになりそう.僕としてはアンコールでやったチック・コリアの「スペイン」が,オリジナルのMichel Camilo & Tomatitoのものより遙かにスピード感に溢れ感動した.
そして最後はジャズバー・クラヴィーアへ.スイングジャズを聴く.
白石幸司(cl),佐久間和(g),小林真人(b).
腕の良い3人組のリラックスできるスイングジャズ.スタンダードナンバー中心で,こういうジャズの良さを提供するのがいかにもクラヴィーアらしい.長い一日の最後に聴くジャズとしては最高.アンコールではヴォーカルの舞ちゃんも加わってAll Of Meを聞く.大満足して興奮のうちに帰宅は11時半頃.
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