独断的映画感想文:ロンドン・リバー
日記:2016年1月某日
映画「ロンドン・リバー」を見る.
2009年.監督:ラシッド・ブシャール.
出演:ブレンダ・ブレッシン(Elisabeth),ソティギ・クヤテ(Ousmane),フランシス・マギー,サミ・ブアジラ(Imam),ロシュディ・ゼム(Le Boucher),マーク・ベイリス(Edward).
2005年7月7日,イギリス海峡に程近いガーンジー島で農業を営むソマー夫人は娘が遊学中のロンドンで大規模テロが起こったというニュースを聞き,娘に電話をかける.電話は繋がらず彼女はロンドンに行くことにした.
フランスで森林管理官として働くウスマンは,故郷のアフリカに住む妻から,ロンドンにいる息子と連絡がつかないとの知らせを受け,6歳の時以来会っていない息子を捜しに,ロンドンにやって来る.
やがて二人はロンドンのイスラム地区のアパートで,彼等の娘と息子が同棲していたことを知る….
当初思わぬ状況に途惑うソマーだったが,やがてウスマンと言葉を交わす様になる.ウスマンは,息子がテロリストではないかという恐れを抱いていたが,犯人はパキスタン系という報道にその憂いはなくなった.
二人は次第に言葉を交わす様になり,協力して子供達の行方を探すことになる.
ソマーは夫をフォークランド戦争で亡くして以来,農業をしながら一人娘を育ててきた.ウスマンは敬虔なイスラム教徒,枯れ木の様な痩せた長身で殆ど口をきくことはない.
この二人が次第に打ち解け,子供達のことを理解しようと努める過程は,実に印象的だ.
世の中は昔と違う.実に驚くべき事ばかりだが,人間は結局理解し合えるものなのではないか.そう思った矢先に,物語は思いがけない展開を遂げる….
ソマーを演じたブレンダ・ブレッシンとウスマンを演じたソティギ・クヤテが誠に素晴らしい.我々はどこから来たのか,どこへ行くのか,そして一体今何をしているのか,そういうことを考えさせられる映画.
一見の価値あり.★★★★(★5個が満点)
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