番外:独断的歌舞伎感想文 壽初春大歌舞伎 昼の部
日記:2016年1月某日
「壽初春大歌舞伎」を見る.
「一、廓三番叟(くるわさんばそう)」.出演:傾城千歳太夫(孝太郎),新造松ヶ枝(種之助),太鼓持藤中(染五郎).「二、義経千本桜(よしつねせんぼんざくら) 鳥居前」.出演:佐藤忠信実は源九郎狐(橋之助),源義経(門之助),静御前(児太郎),逸見藤太(松江),武蔵坊弁慶(彌十郎).「三、梶原平三誉石切(かじわらへいぞうほまれのいしきり) 鶴ヶ岡八幡社頭の場」.出演:梶原平三景時(吉右衛門),梢(芝雀),俣野五郎景久(歌昇),奴菊平(種之助),山口十郎(由次郎),川島八平(桂三),岡崎将監(宗之助),剣菱呑助(男女蔵),大庭三郎景親(又五郎),六郎太夫(歌六).「四、河竹黙阿弥 作 新古演劇十種の内 茨木(いばらき)」.出演:伯母真柴実は茨木童子(玉三郎),士卒運藤(鴈治郎),士卒軍藤(門之助),太刀持音若(左近),家臣宇源太(歌昇),渡辺源次綱(松緑).
廓三番叟は孝太郎がしっかりした踊りで威厳ある美しさ.種之助はふっくらして可愛い女形だがちょっとハナが上を向いている.
鳥居前は地味な進展でジョギング後の眠気を押さえかねた.橋之助は殆ど記憶に無い,誠に失礼しました.
石切梶原は吉右衛門が文句なしに楽しめた.
穏やかな顔貌に終始しつつ,俣野の試し切りを押しとどめる瞬間の厳しい表情,梢の口説きを聞きながら淡々と柄に下げ緒を巻いていくゆったりした動き等,誠に役を自家薬籠中のものとして見事.又五郎の大庭影親,歌六の六郎太夫,梢の芝雀も素敵.
茨木は玉三郎が素晴らしい.鬼女となって斬られた左腕を掴んでからの不気味な笑いは,印象的.
松緑は所作は良いが,台詞が一本調子で今ひとつ.左近の踊りはもう少し頑張りましょう.
しかし全体にお正月にふさわしい豪華な舞台で,心から楽しんだ.
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