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2016/03/19

独断的映画感想文:チョコレートドーナツ

日記:2016年2月某日 
映画「チョコレートドーナツ」を見る.1
2012年.監督:トラヴィス・ファイン.
出演:アラン・カミング(ルディ),ギャレット・ディラハント(ポール),アイザック・レイヴァ(マルコ).
ルディはおかまバーで働くダンサー,客のポールと恋に落ちる.ポールは検事局に勤める検事だった.
その翌日,アパートの隣のシングルマザーが薬物所持で逮捕される.後にはダウン症の少年マルコが残されていた.マルコは施設に収容されるが逃げだし,紆余曲折の後二人は同居し,マルコを母親の委託のもと育てるという生活が始まった….2
マルコは二人の愛情のもと,素晴らしい日々を過ごす.マルコは特に眠るときのハッピーエンドに終わるお話しが好きで,ルディはそれを毎晩話して聞かせるのだった.
ところがポールの身辺を調査した検事局の上司の通報で,二人が関係を偽っていたことが発覚,ポールはクビになりマルコは施設に収容されてしまう.二人の法廷での反撃が始まるが….
1979年を舞台とした事実に基づく映画.この当時のアメリカは,ゲイと言えばこの様な扱いをされて当然といった社会であったのだ(我が国のことは置いておきますが).3
マルコを巡る法廷論争も,マルコの人権といった話しはそっちのけで,ゲイに対する悪口雑言罵詈讒謗誹謗中傷の限りが検事側から述べられる.
更に検事側は,只彼等からマルコの監護権を奪うそれだけの為に,卑劣な策を講じる.
この物語はそういう差別の物語だが,その一方で描かれる二人のの相思相愛とマルコに注がれる愛情は,誠に素晴らしい.彼等の細やかな日常生活の模様は,ゲイに対する偏見を覆させるだろう.4
施設にいるマルコにようやく面会を許された二人に対し,マルコがお話しをねだるシーンは涙を禁じ得ない.
マルコと共に二人が暮らした1年間の生活は,その前後の環境に比べ奇跡と言って良い様に思われる.その意味でこの映画は差別告発の映画と言うよりは,特異な愛の物語と言うべきだろう.
原題は「any day now」,アラン・カミング自身が見事に歌うラストシーンの「I shall be released」の一節である.
★★★★(★5個が満点)
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