独断的映画感想文:野火
日記:2016年5月某日
映画「野火」を見る.
2014年.監督:塚本晋也.
出演:塚本晋也(田村一等兵),リリー・フランキー(安田),中村達也(伍長),森優作(永松).
敗色濃いフィリピン・レイテ島の日本軍.
肺を患った田村一等兵は部隊を追い出され野戦病院行きを命じられるが,病院は負傷兵で溢れかえり,病院からも追い出される.
その後,部隊は爆撃を受け全滅,田村は敗残兵となってパランボンを目指すことになるが,辿るジャングルの小道は病死,餓死,戦死した数え切れない日本兵の死体に覆われていた….
凄惨な映画である.
補給もなく捕虜となることも禁じられ,また現地住民の恨みを買った日本軍敗残兵は,フィリピンの山野を埋め尽くして死んでいくしかない.
遂には日本兵同士が殺し合ってその人肉を喰うことになる.この世の地獄だ.
強靱な意志の力でこの映画を作成した塚本晋也に,敬意を表す.
俳優ではリリー・フランキー,森優作がそれぞれの兵士像を描いて納得の演技.塚本晋也演じる田村が,復員後作家となって書斎から見る野火の幻のシーンが,鬼気迫る.
一見の価値あり.しかし二度見る勇気はない.
★★★★(★5個が満点)
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