独断的映画感想文:マエストロ!
日記:2016年6月某日
映画「マエストロ!」を見る.
2015年.監督:小林聖太郎.
出演:松坂桃李(香坂真一),miwa(橘あまね),濱田マリ(谷ゆきえ),モロ師岡(鈴木稔),斉藤暁(一丁田薫),嶋田久作(島岡脩三),宮下順子(天道の妻・ハル),綾田俊樹(ドルチェのマスター),石井正則(オペラハウス館長),でんでん(金さん),松重豊(相馬宏明),西田敏行(天道徹三郎).
不況の為スポンサーを失い解散となった名門中央交響楽団.
腕利きの楽団員が転職していく中,コンサートマスターの香坂は行き先が決まらず,失意の日々を送っていた.
ある日中央響の再結成を伝える電話が届く.集まった楽団員の前に現れた指揮者・天道は,経歴の知れない,しかし恐ろしい実力の持ち主だった.
型破りで辛辣なその指導に多くの楽団員はプロ意識をずたずたにされるが,楽団の実力は着実に上がっていった.しかし予定されたスポンサーが手を引くと言いだし,本番の実現は予断を許さない事態となる….
コミックを原作とする音楽映画.
元来音楽映画は好きである.しかしこの映画には失望した.
「この世でいちばん美しいのは音楽だ」というテーマで作られている筈のこの映画で,何故この様に音楽を軽んじるのか.
映画の中でいちばん美しい音楽を演じたのはmiwaである.彼女がフルートで独奏する「未完成」の長い長いパートのシーンは胸に迫った.
しかしそれ以外の役者の音楽の演技は,酷いものだ.
音楽映画では役者と監督は演奏を演技で表現しなければならない.miwaに出来たそれが,他の役者には全く出来ていない.特に主役の松阪桃李とその父のバイオリンのシーンには失望した.
音楽をもっと大事にしなければ,「この世でいちばん美しいのは音楽だ」という映画を作ることは不可能だ.
筋書きの荒唐無稽さにもつき合いかねる.見る価値なし.0点.
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