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2016年7月に作成された記事

2016/07/31

番外:独断的歌舞伎感想文 七月大歌舞伎 夜の部 荒川の佐吉(あらかわのさきち)/鎌髭(かまひげ)景清(かげきよ)

日記:2016年7月某日
「七月大歌舞伎 夜の部」を見る.Kabukiza_201607fffl_3a25bb3dc1e4b69
「一、荒川の佐吉(あらかわのさきち)」.出演:荒川の佐吉(猿之助),相模屋政五郎(中車),極楽徳兵衛(男女蔵),大工辰五郎(巳之助),お八重(米吉),絵馬屋重作(桂三),あごの権六(由次郎),鍾馗の仁兵衛(猿弥),丸総女房お新(笑也),隅田の清五郎(門之助),成川郷右衛門(海老蔵).
川崎哲男 脚本,松岡 亮 脚本,藤間勘十郎 演出・振付 壽三升景清.「二、歌舞伎十八番の内 鎌髭(かまひげ) 歌舞伎十八番の内 景清(かげきよ)」.出演:〈鎌髭〉 修行者快鉄実は悪七兵衛景清(海老蔵),猪熊入道(市川右近),下男太郎作実は梶原源太(亀三郎),下男次郎作実は尾形次郎(九團次),下男三郎吾実は愛甲三郎(巳之助),下女お梅実は梶原妹白梅(尾上右近),下女お菊実は尾形妹園菊(米吉),下男四郎丸実は三浦四郎丸(鷹之資),うるおい有右衛門(市蔵),かわうそお蓮(萬次郎),鍛冶屋四郎兵衛実は三保谷四郎(左團次).〈景清〉 悪七兵衛景清(海老蔵),梶原源太(亀三郎),尾形次郎(九團次),愛甲三郎(巳之助),三浦四郎丸(鷹之資),阿古屋(笑三郎),岩永左衛門(猿弥),花菱屋女房おさく(右之助),秩父庄司重忠(猿之助).
荒川の佐吉は以前仁左衛門で見た.
今回の猿之助の演技は,口跡良くテンポ良く,ここというところでの迫力は胸を打つ.猿之助という役者が,台詞術でも聞かせる素晴らしい舞台.
真山青果の古くさい説教調の台詞には閉口するが,それを吹き飛ばす猿之助の出来だった.
巳之助の辰五郎,猿弥の仁兵衛,門之助の清五郎が役に合って良かった.
鎌髭・景清は荒事の定番,まあ海老蔵が活躍すればそれで良い.
今回は成田屋以外の高島屋・澤瀉屋がよく頑張って舞台を盛り上げた.右近(市川)の猪熊入道,右之助のおさく,猿弥の岩永等が活躍.
後の大エビの出現にはビックリ仰天.大変楽しい舞台だった.
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番外:独断的歌舞伎感想文 卅三間堂棟由来(さんじゅうさんげんどうむなぎのゆらい)

日記:2016年7月某日
歌舞伎「若竹笛躬・中邑阿契=作・山田庄一=補綴 卅三間堂棟由来(さんじゅうさんげんどうむなぎのゆらい)二幕三場」を見る.H2807sanjyusangendoumunaginoyuraiho
国立劇場美術係=美術.序幕:紀州熊野山中鷹狩の場.二幕目:横曽根平太郎住家の場,木遣音頭の場.
出演:中村魁春,坂東秀調,中村歌女之丞,市村橘太郎,中村松江,坂東彌十郎.
鷹狩りに来た殿様の鷹が,柳の老木の梢に足ヒモが巻き付き立ち往生.殿様は柳の木を切り倒せと命じるが,老母と共に通りかかった平太が申し出て,見事矢で足ヒモを射切り,鷹を助ける.
殿様は面目を潰され後から家来に平太を討たせようとするが,柳の精の助けもあって散々に打ち破られ退散.するとお柳という美女が現れ平太親子をもてなし,平太はこのお柳と結婚してこの地に留まることになる.
このお柳は柳の精で,命を助けられたお礼に平太に仕えるのだが,緑丸という子まで出来て5年,白河院の命にて遂に柳生の木が伐られることになる….
異類婚礼譚の物語でプロットはまずまず,娘時代はともかくとして,平太の妻となったお柳の平太や子供への口説きは,魁春のいちばん良い所が出て味わい深い.
只この芝居には,お柳が正体を現してから衣装の引き抜きをしたり壁の田楽に消えたり,壁抜けをして現れたりというケレンが幾つかあるのだが,いずれも下手くそで興醒め,せっかくの良い題材なのに勿体ない.この点が残念なお芝居だった.
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2016/07/25

独断的映画感想文:ワイルド・スピード SKY MISSION

日記:2016年7月某日
映画「ワイルド・スピード SKY MISSION」を見る.1
2015年.監督:ジェームズ・ワン.
出演:ヴィン・ディーゼル(Dominic),ポール・ウォーカー(Brian),ドウェイン・ジョンソン(Hobbs),ミシェル・ロドリゲス(Letty),ジョーダナ・ブリュースター(Mia),タイリース・ギブソン(Roman),クリス・リュダクリス・ブリッジス(Tej),エルサ・パタキー(Elena),ルーカス・ブラック(Sean),ジェイソン・ステイサム(Deckard Shaw),ジャイモン・フンス―(Slim),ナタリー・エマニュエル(Ramsey),カート・ラッセル(Mr.Nobody).6
本作の撮影途中で事故死し,これが遺作となったポール・ウォーカー最後の作品.
前作で敢えなく彼等に敗れ去ったオーウェン・ショーの兄Deckard Shawが登場,まずHobbsを襲い病院送りにした後,東京では仲間のハンを殺害,Brianの家には爆弾を送りつけ家屋は木っ端微塵となる.
Shawを探そうというチームの前に政府組織のMr.Nobodyが現れ,テロリストに拉致されたRamseyというハッカーを奪還することを条件に協力を申し出る.
5
Ramseyは世界中のIT情報を通じて瞬時に人を探し出す「神の眼」というソフトを開発していた.Ramseyを奪還し「神の眼」を使えば瞬時にShawを見つけ出せる.Dominicは承知し,チームはRamsey奪還作戦を開始する….
敵役にジェイソン・ステイサムを迎え,息もつかせぬ充実したアクション映画に仕上がった本作,前作から復帰したが記憶の戻らないLettyとDominicの絡みも上出来で,筋書きの面白さも充分.2
如何にも怪しい政府筋のMr.Nobodyが意外に良い奴で,カート・ラッセルの好感度上昇.見て損はない好編.ポール・ウォーカーの夭逝が惜しまれる.
★★★★(★5個が満点)
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2016/07/07

番外:独断的歌舞伎感想文:6月大歌舞伎 狐忠信

日記:2016年6月某日
歌舞伎座で6月大歌舞伎「狐忠信(きつねただのぶ)」を見る.
「三代猿之助四十八撰の内 川連法眼館 市川猿之助宙乗り狐六法相勤め申し候」.出演:佐藤忠信/忠信実は源九郎狐(猿之助),駿河次郎(松也),亀井六郎(巳之助),川連法眼(寿猿),飛鳥(吉弥),静御前(笑也),源義経(門之助).Img_27832
駿河の次郎・亀井の六郎が松也・巳之助という元気の良い配役が嬉しい.
猿之助の狐忠信は,この役者の身体能力の高さを遺憾なく発揮して,誠に見応えのある充実の舞台となった.
ゴムまりの様に舞台上を跳ね回る身の軽さはどうだろう.最後に初音の鼓を得て,歓喜のあまり全身を躍動させて宙を駆けていく宙乗りは,ケレンという以上の感動を与えてくれる.
猿之助の本領を発揮した素晴らしい狐忠信であった.
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2016/07/06

独断的映画感想文:すれ違いのダイアリーズ

日記:2016年7月某日
映画「すれ違いのダイアリーズ」を見る.1
2014年.監督:ニティワット・タラトーン.
出演:ビー(スクリット・ウィセートケーオ)(Song),プローイ(チャーマーン・ブンヤサック)(Ann),ウィア(スコラワット・カナロット)(Nui).
タイのレスリング選手だったソーンは,職探しの末ようやく臨時教員の職を得る.3
赴任先はダム湖にある水上小学校,水上生活者の子弟が月曜から金曜まで学校に泊まり込み学び暮らす.生徒と打ち解けられず教える力もお粗末なソーンは,ある日黒板の上に置き忘れられた手帳を見つける.それは前任の女性教師エーンの日記だった.
同じような教える悩みと孤独とを綴った日記を読むうち,ソーンは未だ見ぬエーンに恋心を抱く様になるが….
電話も電気も通じない水道もない,余りにも自然豊かな水上小学校で学ぶ,生徒と先生の成長物語.
4
前任者エーンは,恋人ヌイの強い勧めでチェンマイの小学校に移ったのだが,ここでの教育は性に合わずヌイとも衝突する.
一方後任のソーンは生徒とは打ち解けられたものの,教育力不足で生徒は試験成績が合格点に届かない.
生徒はどうなるか,ソーンとエーンは巡り会えるのか,という構成である.5
ハラハラ・やきもきさせるストーリー展開あり,子役たちの素晴らしい活躍あり,ソーンとエーンのそれぞれの悩みと苦闘に思わず拍手を送りたくなる,涙と笑いの好編.
タイにこんなに素晴らしい映画があったとは驚きだが,日本的感覚との親和性も高く,見て損はなし.
★★★★(★5個が満点)
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2016/07/05

独断的映画感想文:欲動

日記:2016年7月某日
映画「欲動」を見る.0
2014年.監督:杉野希妃.
出演:三津谷葉子(ユリ),斉藤工(千紘),コーネリオ・サニー(ワヤン),杉野希妃(九美),トム・メス(ルーク),髙嶋宏行(木村),松崎颯(イキ).
千紘と妻で看護師のユリは,千紘の妹・九美が夫ルークと暮らすバリ島を訪れる.臨月を迎え自宅出産を希望する九美の求めに応じたのだが,千紘は重い心臓病を患っていた.3
暫くはバリのゆったりとした時間の中で観光を楽しむが,やがて千紘は自身の予後に苛立ちを見せる様になり,ユリにも暴言を吐く.ユリは一人バリの田園をさ迷ううち,カメラマン木村に強引に誘われ酒場に連れ込まれる.
木村が友人・イキと男色にふけるのを目撃したユリは酒場を飛び出そうとするが,ビーチボーイのワヤンに体を求められる….2
コンセプト的には病気の為関係がとげとげしくなった男女が,バリの開放的な自然と人間関係の中で愛と性の再生を果たす,という映画なのだろうか.
しかし登場人物は(ワヤンを除いては)いずれも何を仕事にしているか判らない高等遊民の様な人たち.異国で自宅出産する妹と心臓病をおしてやって来る兄,という設定はあまりに異常だ.
その割には冒頭の千紘・九美兄妹夫婦の食事シーンは,バリのこの状況下のシーンという緊迫感は全くなく,どこにでもある様なだらだらとした会話が延々と続く.1
登場人物への共感が持てないうちに,とっ散らかった印象のまま映画は終わってしまった.
南国にロケしてセックスシーン豊富な映画を撮ると,こういう傾向が避けられないものなんでしょうか.ぴんと来ない映画だった.
★★★(★5個が満点)
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