番外:独断的歌舞伎感想文 十二月大歌舞伎 第三部 二人椀久/京鹿子娘五人道成寺
日記:2016年12月某日
歌舞伎座幕見で「十二月大歌舞伎 第三部」を見る.
「一、二人椀久(ににんわんきゅう)」.出演:松山太夫(玉三郎),椀屋久兵衛(勘九郎).
「二、京鹿子娘五人道成寺(きょうかのこむすめごにんどうじょうじ) 道行より鐘入りまで」.出演:白拍子花子(玉三郎),白拍子花子(勘九郎),白拍子花子(七之助),白拍子花子(梅枝),白拍子花子(児太郎),所化(亀三郎),同(萬太郎),同(橘太郎),同(吉之丞).
二人椀久は高い緊張感が維持され,誠に美しい舞台.青ざめた色調の舞台が後半一瞬明るく彩られるが,それがうたかたの夢だったことが判る終幕は,哀切極まりない.
花子が5人登場する娘五人道成寺は,バランス良く統制された5人の踊り手の組み合わせが,それぞれに魅力的で楽しい舞台となった.
途中の引き抜きも見事,ぱっと花が広がったようだ.鈴太鼓の所は5人の娘達が顔つき合わせて楽しいおしゃべりの様.
花笠踊りが短くて物足りないが,フィナーレの5人揃った鐘入りは絵になった.
若手4人はいずれも将来娘道成寺を単独で演じることを期待される逸材揃い,渡辺保劇評での「この「五人道成寺」は歴史の一瞬を切り取る面白さ」とは至言である.
ところで児太郎は国立劇場での九段目・小浪との掛け持ち,頑張っています.
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