独断的映画感想文:セデック・バレ 第二部 虹の橋
日記:2017年4月某日
映画「セデック・バレ 第二部 虹の橋」を見る.
2011年.監督:ウェイ・ダーション.
出演:リン・チンタイ(モーナ・ルダオ(壮年)),マー・ジーシアン(タイモ・ワリス),ビビアン・スー(高山初子(オビン・タダオ)),ランディ・ウェン(マホン・モーナ),安藤政信(小島源治),ルオ・メイリン(川野花子(オビン・ナウイ)),河原さぶ(鎌田弥彦).
1930年日本統治下の台湾で,台湾原住民族・セデック族の日本政府への叛乱=霧社事件の結末を語る二部作の完結編(第1部の感想はこちら).
霧社の日本人を殲滅したセデックの叛乱軍は,反攻した日本軍・警察部隊を密林から迎え撃ち大きな損害を与えるが,日本軍も大砲,航空機,毒ガスを駆使して叛乱軍を追い詰める.
セデックの一族は,男子は決死の攻撃にことごとく参加し,女子と子供達は自死を選ぶ.更に日本軍の指示で,モーナ・ルダオと敵対してきた蕃族の一族が日本軍の側に立って鎮圧に参加し,戦闘は凄惨な同族同士の殺し合いへと展開する….
第2部のこの映画は,全編殆ど戦闘シーンとセデック族の自死のシーンで構成されるが,緊張感高い物語の進行に目を離すことが出来ない.
決起したセデックには,セデックとしての名誉を全うし,祖先が渡った虹の橋を続いて渡る資格を得るという目的がある.叛乱の目的は当初から金銭や地位の改善ではないのだ.
そのことを徹底して描くこの映画の物語に,心を動かされずにはいられない.映画の力に圧倒されたというのが正直な感想である.
密林を駆け巡り死力を尽くしたセデック族の戦士が,虹の橋を渡ったであろうことを祈らずにはいられない.
★★★★(★5個が満点)
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