独断的映画感想文:血と砂
日記:2017年4月某日
映画「血と砂」を見る.
1965年.監督:岡本喜八.
出演:三船敏郎(小杉曹長),伊藤雄之助(持田一等兵),佐藤允(犬山一等兵),天本英世(志賀一等兵),団令子(お春こと金春芳),仲代達矢(佐久間大尉),伊吹徹(三保少尉),名古屋章(根津曹長),長谷川弘(中野伍長).
終戦間近い北支戦線.歴戦の曹長だが上官殴打の前歴ある小杉は,ヤキバ砦での敵前逃亡を問われ銃殺された小原見習士官の件を巡り,またしても大隊長佐久間を殴ってしまう.
小杉は軍法会議の代わりに,実戦経験どころか兵士としての訓練さえない軍楽学校新卒の少年兵を率いて,ヤキバ砦の奪還を命じられるが….
この時代この配役ならではの痛烈な戦争映画.
三船敏郎が持ち味を生かして豪快なベテラン下士官を快演する.古年兵役の佐藤允と慰安婦お春役の団玲子が秀逸.
またこの映画は音楽映画でもある.この少年軍楽隊は日本の軍歌を一切演奏しない(出だしとフィナーレは「聖者の行進」だった)が,スイング感と童謡を演奏する叙情性は素晴らしい.
また,奪還したヤキバ砦で,お春に筆おろしをして貰う嬉しさに全員で歌う「おはるさん」の歌唱シーンは,オペレッタの様で面白かった.
テンポ良くプロットもよく,カメラワークも快調な,日本映画充実期の傑作.
★★★★(★5個が満点)
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