独断的映画感想文:鶯
日記:2017年5月某日
映画「鶯」を見る.
1938年.監督:豊田四郎.
出演:御橋公(人事主任三好),伊達信(尺八流し),鶴丸睦彦(卯之吉),押本映治(村会議員),北沢彪(小野崎訓導),藤輪欣司(鶏泥棒),汐見洋(医師),霧立のぼる(百姓女),清川虹子(百姓女の母),堤眞佐子(鶯を売る女),村井キヨ(林檎売り),文野明子(ハル),杉村春子(産婆八重),水町庸子(ヨシエ),藤間房子(キン婆さん),堀川浪之助(司法主任),江藤勇(刑事主任),恩田清二郎(齋藤巡査).
15年戦争が始まって8年経っている割には,のどかほのぼの一色の映画.
冒頭は駅の待合室後半は警察署が舞台だが,登場人物には身売りされようとする少女,子連れで長万部まで行こうという男やもめ,むかし曲馬団に売られた娘を探している老女,モグリの助産師,死んだ赤子の香典をすべて飲んで泥酔した尺八吹き等が出てくる.
貧しいものたちの群像劇というわけだが,彼らの問題は全て,鉄道の駅員や警官たちの温情溢れる対応や説諭によって解決する.世の中はこういう映画を求めていたのだろうか.
グランドホテル形式のハッピーエンドで,知っている俳優は清川虹子,杉村春子くらいだが,俳優はいずれも安定した演技で映画としては見応えあり.
農村の風景は(「爛漫」の法被を着たひとが出てくるので,秋田県らしい),自分が小学生だった1960年代前半と基本的には同じ様で,懐かしかった.
★★★☆(★5個が満点)
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