独断的映画感想文:マネー・ショート 華麗なる大逆転
日記:2017年5月某日
映画「マネー・ショート 華麗なる大逆転」を見る.
2015年.監督:アダム・マッケイ.
出演:クリスチャン・ベール(Michael Burry),スティーブ・カレル(Mark Baum),ライアン・ゴズリング(Jared Vennett),ブラッド・ピット(Ben Rickert),メリッサ・レオ(Georgia Hale),ハミッシュ・リンクレイター(Porter Collins),ジョン・マガロ(Charlie Geller),レイフ・スポール(Danny Moses),ジェレミー・ストロング(Vinnie Daniel),フィン・ウィットロック(Jamie Shipley),マリサ・トメイ(Cynthia Baum).
実話に基づく物語.
2005年,投資ファンドを主催するマイケルは,サブプライムローンを組み込んだ住宅債権がバブル化し,近い将来破綻することを予測するが,その予測は銀行,政府機関,他の投資筋も全く受け入れなかった.マイケルはこれに対し,“クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)”という,バブル崩壊時に保険金が入る契約を結び,巨額の保険金を支払うこととする.
同様に銀行家ジャレット,ファンドマネジャーのマーク,引退したトレーダー・ベンに師事する若い投資家チャーリーとジェイミーもCDSへの投資を行うが….
出だしは経済・金融用語の嵐に途惑い,話は全く頭に入ってこなかった.
しかし4つのCDS投資グループがはっきりしてきた後は,バブルの状況,格付けの変化,バブル崩壊の勃発と進むドラマを没頭できるようになる.
この映画は,リーマンショックに至る経過での,ウォール街の狂乱,不正,腐敗を指摘し,CDS投資グループの勝利を描くが,それと同時に巨額の損失,年金の喪失,多数の失業といったリーマンショックの悲哀を併せて指摘することを忘れない.登場人物中のマーク,ベン等もその苦悩を表明する.
その点で邦題の「華麗なる大逆転」という惹句は不適切・不穏当だろう.
経済・金融用語の飲み込みと多数の登場人物の整理がハードルだが,面白い映画.
★★★☆(★5個が満点)
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