番外:独断的歌舞伎感想文 歌舞伎6月大歌舞伎昼の部 名月八幡祭/浮世風呂/弁慶上使
日記:2017年6月某日
「歌舞伎6月大歌舞伎昼の部」を見る.
「池田大伍作・池田弥三郎演出・大場正昭演出一、名月八幡祭(めいげつはちまんまつり)」.出演:縮屋新助(松緑),芸者美代吉(笑也),藤岡慶十郎(坂東亀蔵),魚惣(猿弥),魚惣女房お竹(竹三郎),船頭三次(猿之助).「木村富子 作 二、澤瀉十種の内 浮世風呂(うきよぶろ)」.出演:三助政吉(猿之助),なめくじ(種之助).「三、御所桜堀川夜討(ごしょざくらほりかわようち) 弁慶上使」.出演:武蔵坊弁慶(吉右衛門),侍従太郎(又五郎),卿の君/腰元しのぶ(米吉),花の井(高麗蔵),おわさ(雀右衛門).
名月八幡祭は,田舎者新助の悲劇,芸者美代吉も遊び人三次もさほどの悪ではないし,新助が騙されたと言っても金をだまし取られた訳ではない.魚惣の言ったとおり『呆れてものも言えねえ』というのが正解.
松緑の新助は,あまりにぺこぺこしすぎではなかろうか?しかし魚惣の窓から美代吉を見るシーン,最後の本水を使った斬殺シーンは良かった.猿弥の魚惣も素敵.
浮世風呂は猿之助の軽妙自在な踊りが好ましい上,種之助のナメクジが純情可憐で可愛らしい.
この踊りの発想そのものが実にしゃれていてこころ楽しいものがある.最後ナメクジがスッポンに落とされて上から塩をまかれちゃうのも,傑作.
弁慶上使は子殺しもの,嫌いなタイプである.吉右衛門はアフロのカツラで熱演,雀右衛門・米吉も良かったが,物語の後味は悪い.
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