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2017/07/20

独断的映画感想文:裸足の季節

日記:2017年7月某日
映画「裸足の季節」を見る.1
2015年.監督:デニズ・ガムゼ・エルギュヴェン.
出演:ギュネシ・シェンソイ(ラーレ(末っ子の五女)),ドア・ドゥウシル(ヌル(四女)),トゥーバ・スングルオウル(セルマ(次女)),エリット・イシジャン(エジェ(三女)),イライダ・アクドアン(ソナイ(長女)),ニハール・G・コルダシュ(祖母),アイベルク・ペキジャン(エロル).2_2
トルコの田舎町に住む13歳から20歳の5人姉妹,両親を事故で失い,今は祖母の家から学校に通っている.
或る日学校の帰りに男子学生と共に海辺で遊んで帰ると祖母が怒っており,姉妹は折檻を受ける.肩車をしていたことを,近所の未亡人から男の首に性器をこすりつけて遊んでいたと通報された為だった.
伯父のエロルが更に激昂,姉妹は学校を止めさせられ,処女検査を受けたうえ家に監禁される.家の塀や窓は鉄格子で覆われ,姉妹は化粧品もPCも電話機もおしゃれな服も全て取り上げられる.3_2
代わりに伝統的な服を着せられ,料理や縫い物等の伝統的家事を教え込まれる.
家を抜け出してサッカー見物に行ったことがバレ,姉妹は上から順に見合い・結婚を強制されるが….
学校は西欧的なのに家は因習的,都会は開放的なのに田舎は閉鎖的,トルコ社会の一面を描いたこの映画は衝撃的である.
長女はボーイフレンドの親から自分に求婚させることに成功するが,次女はその日会った男性とその場で婚約する羽目になり,3女には更に悲劇的な運命が待つ.
4女の結婚に至って残された2人は必死の闘いを繰り広げる….4_2
美しく魅力的な姉妹や青春期特有の明るい挙動の描写と,彼女たちへの因習的な取扱の対比が著しく,映画の問いかけを重く受け止めざるを得ない.
オーディションで採用された5人の少女達が素晴らしく,またカメラ・音楽が美しく映画としての魅力に満ちている.一見の価値あり.
★★★★(★5個が満点)
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