独断的映画感想文:殿、利息でござる!
日記:2017年7月某日
映画「殿、利息でござる!」を見る.
2016年.監督:中村義洋.
出演:阿部サダヲ(穀田屋十三郎),瑛太(菅原屋篤平治),寺脇康文(遠藤幾右衛門),きたろう(穀田屋十兵衛),千葉雄大(千坂仲内),橋本一郎(早坂屋新四郎),中本賢(穀田屋善八),西村雅彦(遠藤寿内),堀部圭亮(橋本権右衛門),斎藤歩(八島伝之助),芦川誠(大工の忠兵衛),中村ゆうじ(三浦屋惣右衛門),山本舞香(なつ),岩田華怜(加代),妻夫木聡(浅野屋甚内),竹内結子(とき),上田耕一(瑞芝和尚),重岡大毅(穀田屋音右衛門),羽生結弦(伊達重村(友情出演)),松田龍平(萱場杢),草笛光子(きよ),山崎努(先代・浅野屋甚内).
江戸時代の仙台藩奥州街道吉岡宿.米も多くは取れず名産もない吉岡は,伝馬の労役負担に苦しみ,夜逃げが相次いで宿場の行く末は暗い.
それを憂えた穀田屋十三郎は,知恵者の菅原屋篤平治から思わぬアイディアを授かる.それはお上に資金を上納し,これに対する利息で伝馬の費用をまかなおうという奇策だった.
上納額は千両,十三郎は10名の商人から一人500貫の銭を集めてこの奇策を実現しようと動き始める….
原作は磯田道史の「無私の日本人」.原作からすれば真面目な話と思えるのだが,映画自体はコメディ仕立てで,そのスタンスが良く判らない.
出てくる人物が一様に,500貫の銭(約3000万円だという)を宿場の為に出しましょうと言われると,目に涙を浮かべて喜んで出すというのも胡散臭い.
場面毎にまた1年また1年と凄い勢いで時間ばかり流れていくのに,登場人物がちっとも老けないのもおかしい.
何より主演が阿部サダオだっていうのがもう真面目とは思えず(この映画のポスターで丁髷の代わりに通し銭を頭に乗っけている阿部サダオを見よ),なんちゃって時代劇だとしか思えない.
そう思って見ていると,結構話の進み方はまともでハッピーエンドに終わったりする.面白いと言えば面白いが,何だかなあという映画.
現代の「今だけ・金だけ・自分だけ」という鉄の掟に対する,ファンタジー映画のつもりかしら?
★★★(★5個が満点).
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