独断的映画感想文:帰ってきたヒトラー
日記:2017年7月某日
映画「帰ってきたヒトラー」を見る.
2015年.監督:ダーヴィト・ヴネント.
出演:オリヴァー・マスッチ(アドルフ・ヒトラー),ファビアン・ブッシュ(ファビアン・ザヴァツキ),クリストフ・マリア・ヘルプスト(クリストフ・ゼンゼンブリンク),カッチャ・リーマン(カッチャ・ベリーニ),フランツィスカ・ヴルフ(フランツィスカ・クレマイヤー),ラース・ルドルフ(キオスクの主人).
1945年の総統官邸防空壕から2014年にタイムスリップしたアドルフ・ヒトラー.放送局をクビになりかけていたザヴァッキは,街頭で見かけたこの男をヒトラーそっくり芸人と考え放送局に売り込む.
新聞記録を通読して即座に状況を理解したヒトラーが,TV出演を利用してその影響力を次第に拡げていく時,ザヴァッキは彼の正体にようやく気付くのだが….
最初は訳が分からず,軍服を洗濯して貰うのにも,受けてくれたトルコ系の女性にへりくだって接していたヒトラーだが,次第に人気者になるにつれて露わになるその本性.
今どきのネオナチや極右の連中とは違う凄みと天才的演説が印象的.「私に忠誠を誓うか」と詰め寄られ腰が引けているネオナチ.
一方で視聴率さえ取れればと何も考えず,ヒトラーを出演させ続けるTV局幹部.直接的・感情的反感をむき出しにするユダヤ人老女.「本当のヒトラー」に対するそれぞれの対応が興味深い.
現代の社会にいとも簡単に溶け込んでいくヒトラーの天才ぶりが怖い.作りはコメディだが最終的にブラック.
★★★☆(★5個が満点)
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