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2017/09/01

独断的映画感想文:ハロルドが笑うその日まで

日記:2017年8月某日
映画「ハロルドが笑うその日まで」を見る.1_3
2014年.ノルウェー.監督:グンナル・ヴィケネ.
出演:ビヨーン・スンクェスト(ハロルド),ビヨーン・グラナート(イングヴァル・カンプラード),ファンニ・ケッテル(エバ).2_3
ノルウェーの北海に面する都市ベルゲン近郊のオサネで,40年以上にわたり家具店を経営してきたハロルド,品質を重視した家具作りにひたすら打ち込んできたが,或る日隣りにイケアの店舗がオープンした.
半年後ハロルドの店は閉店に追い込まれ,認知症の妻は老人ホームに入所した日に急死.全てを失ったハロルドは自らの店を焼き払い,イケアの創業者カンプラードを誘拐せんとおんぼろサーブに乗ってイケア創業の地・スウェーデンのエルムフルト目指し出発する.3_3
途中乗せた16歳の少女エバは誘拐作戦に賛同,エルムフルトでは幾つかの失敗後,偶然にも車がえんこして救援を求めていたカンプラードの誘拐に成功するが….
ノルウェーとスウェーデンがそれぞれどう違う国かも良く判らないが,それはそれとして面白い北欧のコメディ.
登場人物の組み合わせが絶妙で,ハロルドは仕事人間で妻は認知症,一人息子は記者だが泥酔を繰り返し今はクビに.エバはもと新体操選手の母と二人暮らしだが,母は寂しがりやで泥酔するか男を引き込んでいるかのどちらか.5
カンプラードは(実在存命の人物だが)やはり仕事人間(ただハロルドとは厳しさに大分差がある),息子ともうまくいっていないし,何かと言えば過去にナチ協力者だったことを追及するマスコミにもうんざりしている.
という訳で当初「誘拐」に熱心に取り組んだ彼等(カンプラードさえ「誘拐」には前向きで,ハロルドの方針に「そんなことではすぐ捕まってしまう」と助言する)だが,互いの状況が見えてくるに従って辺りを見回す余裕が出てくるという物語.
何事もうまくいかなかったハロルドが,そのこと自体を呵々大笑するという終盤のシーンには,ちょっとしんみりする.
4_3
しかし実存するカンプラードをこの様に描いたり,カンプラードにサーブの性能の悪さをぼろくそに言わせたり,北欧って不思議な国だという想いが改めて浮かんでくる映画.
ところでグーグルマップでオサネを検索したら,確かに大規模なイケアがありました.
★★★☆(★5個が満点)
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