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2017/09/12

独断的映画感想文:パッセンジャー

日記:2017年9月某日
映画「パッセンジャー」を見る.1_2
2016年.監督:モルテン・ティルドゥム.
出演:ジェニファー・ローレンス(オーロラ・レーン),クリス・プラット(ジム・プレストン),マイケル・シーン(アーサー),ローレンス・フィッシュバーン(ガス).2
ネタバレあります.
5000人の乗客と290人のクルーが乗った宇宙船・アヴァロンは,120年の冬眠旅行後,新たな移住地に到着する予定.ところが乗客の一人ジムは90年早く覚醒してしまう.
冬眠ポッドの他は無人のまま自動航行する巨大宇宙船,途中での覚醒はあり得ないとしてシステムからは相手にされず,クルーの眠る管理エリアには立ち入ることが出来ない.
地球へ救援を求めるメールは応答があるまでに数十年かかる.
ジムはやむなく,たった一人の話し相手・バーテンダーロボットのアーサーを相手に,エコノミークラスのまずい食事で日々を過ごすが,1年後には孤独に耐えられなくなる.3_2
冬眠から一旦覚めると船内には入眠する設備はない.ジムは誰にも知られずに朽ち果てる運命にあった.
追い詰められたジムは,冬眠中の若く美しい乗客・オーロラを覚醒させてしまう.目覚めたオーロラはジムに覚醒させられたことを知らずに,自らの不運を嘆きながら次第にジムに心を許していく….
という設定の物語,宇宙船の造形や宇宙の景観はそれなりに見せる(「2001年宇宙の旅」の衝撃的な作りに比べれば何とも安易だが).しかし設定はSFだがその後の展開は全くSFではない.
ジムを覚醒させたシステムのエラーは次第に重篤なシステムの不全に発展していく訳だが,その解決策やその後の展開は極めて常識的.あっと驚く展開は全くないまま物語は終了する.4_2
ジムがオーロラを覚醒した行為も,オーロラが最後に下した選択も,あまり共感できない(というよりは設定の無茶苦茶さにそもそも腹が立つ).そういう意味で,主人公二人の熱演にもかかわらず,映画的面白さは得られなかった.
★☆(★5個が満点)
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受信: 2017/09/12 11:49

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 【ネタバレ注意】  哲学をテーマにしてこれほど面白い作品に昇華できるとは、まったくもって脱帽だ。  哲学を語るにはSFがもってこいであることも、観客の興味を惹くにはロマンスが極めて有効であることも、改めて実感した。  『パッセンジャー』は、実に見事な映画である。  この物語は、マイケル・サンデルが『これからの「正義」の話をしよう』で提示した問いに似ている。政治哲学者サンデル...... [続きを読む]

受信: 2017/09/12 18:52

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